[メイン]
語り手 :
ある少女の願い、ある少年の悔い、ある─────戒め
それらは交わらない、まるで石と鋏と紙のように
変化を齎すならば、それはきっと、奇跡に他ならない
ふしぎもののけTPG ゆうやけこやけ
『願いと咎』
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 遠くで、老夫婦の話し声が聞こえた。
[メイン] 語り手 : 「のう婆さんや、あの子はまだ見つかっておらんのかのう」
[メイン] 語り手 : 「ああ……水野さん家の……そうだねぇ……早く見つかるといいんだけど……」
[メイン] 語り手 : 「ふぅーむ、わしも心配じゃのう……ケーサツには、もう届け出たのじゃろう?」
[メイン] 語り手 : 「私もそう聞きましたよ、もうそろそろ1週間だけど……女の子だから本当にもう、心配だわぁ……」
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : どうやらこの田舎町で、水野家の子どもが1人行方不明になってしまったようだ。
[メイン] 語り手 : 話は、それだけ。人の少ない田舎では、たまに起こる事件だ。
[メイン] 語り手 : 大抵は村人総出で捜索し、迷子は見つかるのだが、今回はそのようではない様子だ。
[メイン] 語り手 : これに対し、あなた達はどう思うか?
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 自分には関係ない?それなら、この物語はおしまいだ。とっぴんぱらりのぷう。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 気になる?それなら、この物語はまだ続く。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 場面『人よりもたくさんの生き物が住む町』 場所:畦道 時間:夕方
[メイン]
語り手 :
遠くを眺めれば山か森しか見えず、山の上から、池から、細い川が流れる。
知くを見れば、家の数よりも多い田んぼと畑。所々に車も通れない細い道に、剥き出しの土の道もあちこちに。
街灯の無いこの町は、子ども達の遊ぶ声、犬の声、猫の声、鳥たちの声、虫の声。
水が流れる音、風が吹く音。人よりも賑やかなものがたくさんある町。
そんな町で、あなた達はゆったりと、のんびりと過ごしていた。
[メイン]
カンナ :
田んぼのあぜ道、そこに差し込む夕日。
人が集まる時間も過ぎて、そろそろ人間ならば帰る時間だろう。
[メイン]
カンナ :
そんな時間に、草むらでがさごそ、と音がしたなら。
[メイン] カンナ : それはおそらく。
[メイン] カンナ : 「ばんごはん、とれた」
[メイン]
カンナ :
ぴょこんと、草むらから道に顔を出す、一羽の鳥。
鳥にしてはその羽毛は真っ白で、アルビノであっても見かけないような白であろう。
[メイン]
カンナ :
「こっち、人は全然いないみたい
これならみんなの分のごはんも取れるんじゃないかなぁ」
[メイン]
カンナ :
口元にカブトムシを咥えながら、こくり、と。
同じ獣たちに目をやりつつ。
[メイン] シロ : 「うわ!カンナありがとうだゾ!」
[メイン] 鳳凰 : 「…………」
[メイン]
鳳凰 :
雑草よりも背の低い小鳥。
虹色に羽が煌めいており……カンナの言葉を受けても、無言である。
[メイン]
犬 :
「うわ!カンナちゃんありがとう!」
(犬って虫食べられるのかな…?)
[メイン]
カンナ :
カンナの言うとおり、”変化”ではない、力を持たない獣や昆虫たち。
それらが田んぼにひしめくように生息している。
[メイン]
カンナ :
「? ご飯食べちゃった?」
鳳凰の様子に、ぱたぱた、と白い翼をはためかせて。
[メイン]
シロ :
「まどかは虫が食べれるか心配しているようだけど慣れたら案外行けるゾ」
ばりばりと虫をむさぼる
[メイン] シロ : 飼い主が今いない僕がこの町で生きてくからにはなりふり構ってなどいられないのだ
[メイン] 鳳凰 : しばらく黙ってから、喉を鳴らして口を開くと。
[メイン] 鳳凰 : 「そ モッ うです モグッ ね。ここなら モシャッ 安全に モッモッ……えっ!」
[メイン] 鳳凰 : ごくっ
[メイン]
犬 :
「そうなの?」
試しに食べてみた、人の時とは味覚は違うので案外いけた
ただカブトムシはマズかった
[メイン]
鳳凰 :
「な、なんで分かったんでしょうか……私が、一人で間食をしていたことを……っ!」
嘴に溶けたチョコがついてた。
ずっと食べてた。
[メイン] カンナ : じーっと、その様子に目を向けて。
[メイン]
犬 :
「え~いいな~チョコ」
食べたいがこの状態では食べられないので羨ましそうに見ている
[メイン]
鳳凰 :
いやしいとか思われたら、嫌なのでごまかそうとしていたのですが……
な、なぜ……
[メイン] シロ : 「え~鳳凰はチョコなんて食べてたのか。オラ羨ましいゾ」
[メイン]
カンナ :
「あ、先にご飯食べてたんだね、全然気づかなかった
むむっ、それって茶色いやつ……人間のごはんは、おいしそう……」
[メイン] カンナ : たらりと、まだ鳳凰のくちばしについているチョコに涎を垂らし。
[メイン]
鳳凰 :
「まあ、私ほどの神威をもってすれば貢物の方からやってくるのですよ!ふふふ!」
「……まあ、本当は近くに住んでいるご老人の縁側にとまったら……お菓子をくれて……」
[メイン]
カンナ :
「にんげんの食べ物って珍しいよね
透はたべたこと、ある?」
と、隣にいた猫にこくり、と首を傾げて。
[メイン]
鳳凰 :
えっ何ですかその目。
こわい。
捕食者の目です。
[メイン]
カンナ :
おぉお~~、すごい、鳳凰はおねだり上手。
ぱふぱふ、と両羽毛で拍手している。
[メイン] カンナ : 首を傾げた方向には、ぱっと草むらが生い茂っているだけ。
[メイン]
カンナ :
あれ?透ってどこに行ったのかな?
そんな疑問を覚えつつ、首を傾げたままに。
[メイン] 鳳凰 : 「? 透さん、そういえばお姿が見えませんが──」
[メイン]
カンナ :
ついでに手持無沙汰だったのでぼりぼりとカブトムシを食べた。
獣は別に行儀がいいわけではないので、殻や羽根を落としつつ。
[メイン]
シロ :
「本田おねーさんはさっきどっかにいっちゃってたゾ」
虫をむさぼりながら
[メイン] 鳳凰 : ふぇぇ…ぼりぼり言ってる…
[メイン] 本田透 : 遠くの方からタッタッタッと足音を響かせ、オレンジ色の猫が4匹の元に駆けてくる。
[メイン] シロ : 「あ、もどってきたゾ」
[メイン] 犬 : 「おかえり~」
[メイン]
本田透 :
「た、ただいま戻りました」
はぁはぁと息を弾ませながら
[メイン]
鳳凰 :
「! 透さん、いらっしゃましたか。お姿が見えないので、どこへ行ってしまったのかと…」
カブトムシが意識を逸らすように羽に埋もれた首を向ける。
[メイン]
カンナ :
「むっ。どうしたの、そんなに慌てて」
少し心配げに、青い目を細めて透へと尋ねる。
[メイン] 本田透 : 息を整えて、散歩をしていたら聞こえてきた老夫婦の話を4匹に話す。
[メイン] 本田透 : 「私、とっても心配で、いても立ってもいられなくなって…」
[メイン] シロ : 「ええっ子供が見つからないって大変だゾ!」
[メイン] 犬 : 「それは…確かにちょっと心配だね」
[メイン] カンナ : 話を聞きながら、こくこく、と小さく頭を揺らし。
[メイン]
鳳凰 :
「な、なんと!? 水野さんの家の女の子が……」
手羽をアゴの辺りに当てて。
[メイン]
シロ :
きっとその子は一人で心細くなっているだろうと自分と重ね合わせて心配する
……そういえば春日部では僕の事どうなっているんだろう?
戻ろうとしても謎の力で帰れなかったし、なぜか向こうの情報も入手できない
心配しているのかなぁ…
[メイン]
カンナ :
「にんげんの……子ども?
……人間ってことは……私たちの仲間じゃないんだね」
[メイン] カンナ : ふんむふむん、と頷く。
[メイン]
鳳凰 :
「…このような人のいない町では、その分誰かがいなくればすぐに見つかるものですが…
たしかに只事ではないですね…」
[メイン]
シロ :
「きっとその子いま一人で心細くなっているゾ。探すゾ!」
こんな思いをするのは自分だけで十分だ
[メイン]
カンナ :
けれど、気にならないわけではない。
もし自分が行方不明になってしまい、仲間とはぐれしまったら。
そんな事をぼんやりと考えれば、他人事であると切り分けられない。
[メイン] 鳳凰 : 「む、カンナ。いけませんよ、そのような言い方は。人の子とて同じ土地に生きるものなのですから」
[メイン]
カンナ :
「うむっ……むー、たしかに、にんげんの方が強いもんね」
と、どこか変な理解をしたうえで。
[メイン]
カンナ :
「それに……その子の事、気にならないわけじゃないもん」
と、鳳凰に、ふんす、と翼をはためかせる。
[メイン]
カンナ :
「みんなも同じ気持ち、みたいだから……
いっしょに、探してみる?」
[メイン]
鳳凰 :
「いい子です!」
ぱっと羽を広げて。
[メイン] カンナ : わ、ほめられた。
[メイン] カンナ : 嬉しくなったのか、返すようにぱたぱたと広げる。
[メイン]
鳳凰 :
「ええ。私も、慈悲深き神鳥として見逃せませんね……調査してみましょう。
今や人は私たちよりも強い存在ですが…だからと言って。もう私たちにできることが無いわけではないのですから」
ぱたぱた
[メイン] シロ : 「おお~!さすがだゾ、カンナに鳳凰。オラたちで一緒にさがそう」
[メイン] 犬 : 「そうだね、それに…」
[メイン] 犬 : もしかしたら…ずっと見つからないとしたら少年は怪異に攫われてるかもしれない
[メイン]
鳳凰 :
「……透さん。私たちにこの話を伝えてくれたということは、あなたも気持ちは同じですね?」
そして、そもそもの話を持ち込んだ彼女の方に顔を向ける。
そろそろお話できるくらい元気になったのではないでしょうか。
[メイン] 本田透 : 「も、もちろんです。私だけでも探すつもりでした」
[メイン] 本田透 : この町が大好きですから。
[メイン]
本田透 :
皆さん優しいです。
もしかしたら断られるかも、なんて考えていたのが恥ずかしいです。
[メイン] シロ : 「一人でもやるつもりだったなんて本田お姉さんは流石だゾ!」
[メイン] 本田透 : えへへとシロに笑いかける。
[メイン]
鳳凰 :
透さんの言葉にこくりと頷く。
みな、良い心がけなので本来ならば頭を撫でる権利をあげてもよいのですが。そんなことをしている場合では無さそうです。
[メイン]
カンナ :
こくり、と頷く。
シロも、透も、まどかも。みんな優しい。
[メイン] カンナ : 鳳凰が言ってたみたいに、この町に住むものは人間であっても、獣であっても変わらないのかもしれない。
[メイン]
カンナ :
もし、お腹が空いているのなら……その苦しさは、人も私たちも同じかも。
その子がお腹を空かしてしまうまえに、先に見つけてあげなきゃ。
[メイン] カンナ : おなかがへるのは、よくないこと。
[メイン] カンナ : ぐっと翼を広げ、はためかせる。
[メイン] カンナ : 人間の時間は一休み、ここからは変化の出番。
[メイン] カンナ : 小さな獣たちが、畦道を駆けていく────。
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン]
語り手 :
幕間処理
ここでは、前の場面でいいRPをしたと思ったPCにいくつ夢を与えるかを宣言
その後、つながりを夢消費で強化可能
[メイン] 語り手 : 例)鳳凰があざと可愛かったから、夢+3とか
[メイン]
シロ :
対象 オラ以外
み゛ん゛な゛子゛供゛を゛探゛す゛こ゛と゛に゛同゛意゛し゛て゛く゛れ゛た゛か゛ら゛+゛1゛0゛0゛あ゛げ゛る゛ゾ゛
[雑談] system : [ 犬 ] 夢 : 0 → 100
[メイン]
鳳凰 :
カンナさん+10 私と一番お話してくれたので10ほーちゃんポイントです。(ほーちゃんポイントには普通の夢よりもご利益がある)
透さん +10 お話を進める大切な役割をしてくれたので10ほーちゃんポイントあげます!
[メイン]
カンナ :
鳳凰+20 たくさんおしゃべり出来たから。あとおいしそう
透+20 お話を進めてくれた。ねこっぽいやり方だからいい
[メイン]
犬 :
シロ+20
メイン2の話好き
[メイン]
本田透 :
カンナさん+10 皆さんに食料を分け与えていたので
犬さん+10 行方不明の子供を心配してくれていたので
鳳凰さん+10 皆さんに話を振ってくれたので
シロさん+10 不安なのに誰かのために頑張ろうとしているので
[メイン] system : [ シロ ] 夢 : 0 → 30
[メイン] system : [ カンナ ] 夢 : 0 → 110
[メイン] system : [ 本田透 ] 夢 : 0 → 130
[メイン] system : [ 鳳凰 ] 夢 : 0 → 130
[メイン] 語り手 : もう色々インフレしてるからどうにでもなってしまえってところだ
[メイン] 語り手 : 夢5消費して、つながりLVを上げられます
[メイン] カンナ : 夢を25消費して、みんなとのつながりLvを3にするよ
[つながり] system : [ カンナ ] 夢 : 110 → 85
[メイン] シロ : オラも夢を25消費してみんなとのつながりをLV3にするゾ
[メイン] 犬 : 同じくそうするよ
[つながり] system : [ 犬 ] 夢 : 100 → 75
[メイン] 鳳凰 : 同じくですっ!
[メイン] system : [ 鳳凰 ] 夢 : 130 → 105
[つながり] system : [ シロ ] 夢 : 30 → 5
[雑談] system : [ シロ ] 想い : 10 → 14
[メイン] system : [ シロ ] ふしぎ : 10 → 15
[メイン] system : [ 鳳凰 ] 想い : 10 → 24
[メイン] system : [ 鳳凰 ] ふしぎ : 10 → 25
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 10 → 24
[メイン] system : [ カンナ ] ふしぎ : 10 → 25
[メイン] system : [ 本田透 ] ふしぎ : 10 → 20
[つながり] system : [ 本田透 ] 想い : 10 → 24
[雑談] system : [ シロ ] ふしぎ : 15 → 25
[雑談] system : [ シロ ] 想い : 14 → 24
[メイン] system : [ 犬 ] ふしぎ : 10 → 25
[メイン] カンナ : 場面『なぞなぞだらけのかみかくし』 場所:老夫婦の家 時間:夕方
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン]
カンナ :
そうして、変化たちは夕方、道に散っていく。
人探しのため、それぞれの手がかりを求めて、思い思いの場所に行くのだ。
[メイン]
カンナ :
別れた2匹、透とカンナ。
二人はここ、噂を聞いた発端の老夫婦の民家へと訪れていた。
[メイン]
カンナ :
一般的な一軒家、といった風貌で。
都会であればあるようなチャイムもなく、呼びかけるなら声を掛けるしかなさそうな、そんな家。
[メイン] カンナ : ミィーンミンミンと風流にセミが鳴いている。
[メイン] カンナ : 「……むぐ、そういえば。透は人間、こわくないの?」
[メイン] カンナ : そんなセミを捕まえてたべながら。
[メイン] 本田透 : 「…?こわくありませんよ?」
[メイン] 本田透 : 「皆さんとてもお優しいです」
[メイン] カンナ : 半分いる?といったようにセミを透の前に置きながら。
[メイン]
カンナ :
「む、そうなんだ……
鳳凰もそうだったし、みんなってけっこう、人間と関わってるのかな?」
[メイン] 本田透 : いただきます。と置かれた蝉をムシャムシャと頬張る。
[メイン] 本田透 : カンナのその言葉を聞いて
[メイン] カンナ : わ、受け取ってくれた。うれしい。
[メイン] 本田透 : 「カンナさんはあまり関わりにならないんですか?」
[メイン]
カンナ :
カンナの変化があまりない、無表情そうな顔が。
少し嬉しげに変わって。
[メイン] カンナ : 「んっと、そうだね」
[メイン]
カンナ :
「私は、鳥の変化……ってことになってるけど
ほんとうは、竜って言われる、今はあんまり見ない変化なんだ」
[メイン] 本田透 : 「竜…」
[メイン] 本田透 : そういわれると、カンナさんは鳳凰さんとはどこか違う感じがします。
[メイン]
カンナ :
竜。それは現代では幻想上の生物となった生き物。
昔は竜を見かけていたが、時代を経るにつれて、人は竜の姿を見かけなくなり、そして物語上の生き物として分類された。
[メイン] カンナ : こくり、と頷き。
[メイン]
カンナ :
「ええっと……人間は強いから、ぜつめつしないために、関わらない。
そうやって、お父さんから教えられてきたの」
[メイン]
カンナ :
この世はまさに弱肉強食であり、強者となった人間には触れない、近寄らない。
そう言った教えを受けていた。
これをきっちりと守り、獣としての生活を続けてきたのが、彼女、カンナである。
[メイン] カンナ : 夕方の日差しを受けた、白い翼をぱたぱた、とはためかせて。
[メイン] 本田透 : 私みたいな猫や、犬さんやシロさんのような犬は、いわゆる愛玩動物であり、人間の手で増やされている。
[メイン]
本田透 :
彼女はそれらとは違った生き物…ということなのでしょうか。
カンナさんの白い翼を見つめながらそんなことを考えていました。
[メイン] 語り手 : ─────けもの判定:難易度3。
[メイン] カンナ : 1d0+1>=3 【けもの】判定 (1D0+1>=3) > 0[0]+1 > 1 > 失敗
[雑談] system : [ 犬 ] 想い : 10 → 25
[メイン] カンナ : 想いを2消費するー
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 24 → 22
[メイン2] system : [ 犬 ] 想い : 25 → 22
[メイン] 本田透 : 1d0+3>=3 【けもの】判定 (1D0+3>=3) > 0[0]+3 > 3 > 成功
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
一匹の竜と、一匹の猫は、玄関から何者かがやって来るのを察知する。
それは、獣としての五感が大いに働いたことによることだろう。
[メイン]
語り手 :
「ふぅー……買い物買い物……」
そして、老婆の声が奥で聞こえるだろう。
[メイン] カンナ : 「…………!?」
[メイン] 本田透 : 顔を聞こえてきた声の方に向け
[メイン] カンナ : そこに、音が届く。ぱちぱちと、目を瞬かせて透と目を合わせる。
[メイン] 語り手 : がらがらがら、と戸が開かれると、老婆は二匹の獣を見て瞬きを。
[メイン] カンナ : 「…………っ」
[メイン]
語り手 :
「おやおや……珍しいものだねぇ……鳥と猫が仲良くしているだなんて
ふぉっふぉっふぉ……」
[メイン] 本田透 : 「にゃ、にゃあ」
[メイン]
語り手 :
にこやかな表情の、白髪の老婆が買い物袋を片手に
そのままに二匹の後を過ぎ去ろうとする。
[メイン] カンナ : 少しびくり。小さい頃から植え付けられた人間の恐怖は、それ程に大きい。
[メイン]
カンナ :
しかし────なにもない。
それどころか、にこりと楽しげだった。
[メイン]
カンナ :
「…………」
あれ……?教えられてたことと、違う……
……人間は……そこまで、こわいものじゃない……?
[メイン] カンナ : そして、ハッと。通りすがろうとする老婆に目を向けて。
[メイン] カンナ : 「と、透っ!えっと、今なら……聞けるんじゃない?」
[メイン] カンナ : 「この姿ならダメだけど……物陰に隠れて、”人に化ければ”……」
[メイン]
本田透 :
「そ、そうですね」
カンナの言葉を受けて物陰へ走る。
[メイン] カンナ : そう────変化は、ただ頭がよく言葉を話せる動物ではない。
[メイン]
カンナ :
”変化”の名の通り、獣から人へ、人から獣へ。
自らの体を変化させることができる生き物だ。
[メイン] カンナ : お願い、と透に頷いて。
[メイン] 本田透 : 【ふしぎ】を4点消費して人間の姿に化けます。
[メイン] system : [ 本田透 ] ふしぎ : 20 → 16
[メイン2] system : [ シロ ] ふしぎ : 25 → 23
[メイン2] system : [ 犬 ] ふしぎ : 25 → 23
[メイン] 本田透 : ボフンという音と共に、その姿がオレンジ色の猫から茶色いロングヘアの少女へと変わる。
[メイン] カンナ : おぉお~~……あれが、透の人間のすがた……
[メイン]
カンナ :
ぱさぱさ、と白い翼をはためかせ。
透の肩に、ぱさり、と止まる。
[メイン] 本田透 : 「カンナさん、私の姿どこかおかしくありませんか?」
[メイン]
本田透 :
ちゃんと人間の姿ができているだろうか?
肩に止まったカンナに尋ねる。
[メイン] カンナ : 「うん、どこからどう見ても……人間!」
[メイン] カンナ : こくこく、と頷く。
[メイン] カンナ : 「すごい、こんなに上手に変化が出来るんだね、透」
[メイン] カンナ : ぱさぱさ、と拍手のように羽をぶつける。
[メイン] 本田透 : 「えへへ。褒めてもらって嬉しいです」
[メイン] 本田透 : 「…って、今は追いかけないといけませんね」
[メイン]
カンナ :
はっ、そうだった、と。
翼をゆっくり閉じる。
[メイン] 本田透 : 肩に乗せたカンナを落とさないようにしながら、早足で老婆のあとを追いかける。
[メイン]
語り手 :
追いかけると、すぐに追いつくことだろう。
先程の老婆が、田舎道を歩いている。
[メイン] カンナ : おっこちないように、足で肩をぎゅっとしながら。
[メイン]
カンナ :
「あ、あそこにいる人……じゃないかな……?
え、えっと……話しかけるの、お願いしてもらっても……いいかな」
[メイン] カンナ : 少し、体を縮めたように。
[メイン] 本田透 : はい。と肩のカンナにうなずく。
[メイン]
カンナ :
危害のないもの、と身でわかっていたとしても。
怖いものがあるのか、透にそう尋ね。
[メイン]
本田透 :
「お婆さん。こんにちは」
にこやかに話しかける。
[メイン] カンナ : ……!!えへへ、ありがとう。と返しておき。
[メイン2] system : [ 犬 ] 想い : 22 → 20
[メイン]
語り手 :
「んん?おやおや、こんばんは」
にこりと、穏やかな口調で返す老婆。
[メイン] 本田透 : あわわ。そういえばこんばんはの時間でした。と少し内心で焦る。
[メイン] 本田透 : 「…お買い物ですか?」
[メイン] カンナ : 挨拶を真似するように、こくり、と頭を下げる。
[メイン]
語り手 :
「そうねぇ、おじいさんったら、今日の御夕飯、魚がいいって
聞かなくてねぇ……お嬢ちゃんはどうしたんだい?
もうおうちに帰る時間じゃないかい?」
[メイン]
カンナ :
おうちに帰る時間……そっか、この時間になったら人間が見えなくなるのも……
そういうルールがあるのか、むずかしい……!
[メイン] 本田透 : 「ああいえ、ちょっと気になることを耳にしたのですが、それで歩いていたらちょうどお婆さんを見かけたので声をかけさせて頂きました」
[メイン]
語り手 :
「ふぅむ?気になることかい?いいよぉ
私も口寂しかったものだからねぇ、なんでも聞いておくれ~」
[メイン] 語り手 : 老婆は快諾するように、にこりと笑う。
[メイン] 本田透 : 「ありがとうございます。私は本田透と言います」
[メイン]
カンナ :
わわっ、話し慣れてる……
やっぱり、透はお話上手だなぁ……人間と仲良くしてるだけある……!
[メイン]
語り手 :
「はいなはいな、透ちゃんだねぇ、私は笹塚だよー
それで……えーと?何のお話だい?」
[メイン] 本田透 : こちらはカンナさんです。と肩に乗ったカンナの紹介もして、本題に切り出す。
[メイン]
カンナ :
ぱたぱた、と羽をはためかせる。
……珍しがってるわけじゃないんだ。
[メイン] 本田透 : 「はい。私、この町が大好きなんです」
[メイン2] system : [ 犬 ] 想い : 20 → 16
[メイン] 本田透 : 「だから、大好きな町で困っていたり、泣いたりしている人がいると、放っておけないんです」
[メイン] 語り手 : 透の話に、うんうん、とゆっくり頷きながら聞く老婆。
[メイン] 本田透 : 「笹塚さんは、行方不明の女の子の話を知っていますか?」
[メイン]
カンナ :
……果たして、どうなんだろう。
ぱたぱたと動かしていた翼を閉じ、青い色の瞳で老婆へと見る。
[メイン] 語り手 : 「………あぁ……透ちゃんも、その話を……」
[メイン] 本田透 : コクコクと頷く。
[メイン]
語り手 :
話好きな老婆であったが、その件に関しては、あまり話題にするのも
憚れるといった様子で、眉をハの字にする。
[メイン] 語り手 : おとな判定:難易度4
[メイン] 本田透 : 1d0+2>=2 【おとな】判定 (1D0+2>=2) > 0[0]+2 > 2 > 成功
[メイン] 本田透 : 間違えました
[メイン] 本田透 : 【想い】を2消費します。
[メイン] 語り手 :
[メイン] system : [ 本田透 ] 想い : 24 → 22
[メイン] 語り手 : 透の真剣な表情を見て、老婆は、口を開く。
[メイン] 語り手 : 「……あまり楽しい話題じゃ、ないんだけどねぇ……わかったよぉ」
[メイン2] system : [ 犬 ] ふしぎ : 23 → 19
[メイン] 語り手 : そして老婆は、行方不明になった少女についての情報を話す。
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
・「村で行方不明になった少女について」
水野 ナコという、里山小学校に通う1年生の女の子が5日前から行方を眩ませてしまっているようだ。特徴は、黒のピッグテールと、青い瞳。
既に村人達で捜索をし、ケーサツにも応援要請をしているようだが、それでも未だに見つかっていないらしい。
また、ナコには亨という1つ年上の兄がいるらしい。
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
「……ナコちゃんは、本当にねぇ、お兄ちゃん想いの、良い子だったけど
今も見つからないらしくて……」
[メイン]
本田透 :
「詳しくありがとうございます」
悲痛な面持ちで話を聞きながら、お礼を述べる。
[メイン] 本田透 : 「私も行方不明とだけ聞いて、いても立ってもいられなくなったので、こうやって知っている方を探していたんです」
[メイン] 語り手 : 「あらあらまぁ……透ちゃんは優しいねぇ」
[雑談] system : [ 犬 ] ふしぎ : 19 → 21
[メイン] カンナ : ぱたぱた、と頷くように。
[メイン]
語り手 :
「でもごめんなさいねぇ……私もあまり、何か知ってるというわけじゃ
なくて……本当に、困ったわねぇ……」
[メイン] 語り手 : 途方に暮れた様子の老婆。
[メイン]
カンナ :
5日間、何も食べなかったらお腹と背中がくっついちゃう。
それに……友達と会えないなら、私は寂しくってしょうがない。
[メイン] 本田透 : 「いえいえ、お婆さんとお話しできなかったら私も途方に暮れていたので」
[メイン] 本田透 : 「もしよろしければなのですが、水野さんの自宅の住所をご存じなら教えて頂けませんか?」
[メイン] 本田透 : 私がナコちゃんを見つけたら送り届けたいので、と付け加えて。
[メイン]
語り手 :
「そうだねぇ、連絡先は知っておいた方がいいねぇ
それに……うん、知らない人のためにも頑張れる子が
こうして町にいるっていうことが、私の活力にもなるからねぇ」
にこやかな表情で、こくりと頷き。
[メイン] 語り手 : そうして本田透へ、水野家の住所と連絡先を教えた。
[メイン]
本田透 :
「重ね重ねありがとうございます」
肩のカンナを落とさないように気をつけながら、ぺこりと頭を下げる。
[メイン]
カンナ :
こちらも合わせるように、頭をぺこり。
肩をぎゅっと掴んでいたので、落ちることはなく。
[メイン] 語り手 : 透へ会釈し返す老婆。
[メイン]
カンナ :
「……それじゃあ、ばいばいする?
私も、その子のこと心配だから……早く、見つけてあげたい」
[メイン]
カンナ :
と、透にばたばた、翼をはためかせる。
子どもっぽく、わかりやすく暴れて。
[メイン] 本田透 : はい、そうですね。とカンナにうなずく。
[メイン] 語り手 : 老婆は、目をぱちぱちと。
[メイン] 語り手 : ─────喋る鳥を見て。
[メイン] 語り手 : びっくりしたような顔をしながらも、また穏やかな顔に戻り。
[メイン] 語り手 : 「……ふふふ、私も、昔会ったのう……」
[メイン] 語り手 : そう独り言を呟きながら、買い物へと出かけて行った。
[メイン] カンナ : 「…………!?」
[メイン]
カンナ :
カンナの動かない、無表情のような顔が。
まん丸と、驚きの色に変わって。
[メイン] カンナ : 「……び、びっくりした」
[メイン] カンナ : ふるふる、と体を震わせた。
[メイン] 本田透 : 震えるカンナを優しく撫でる。
[メイン] 本田透 : 「笹塚さん、とてもお優しい方でしたね」
[メイン] カンナ : 「……ん」
[メイン] カンナ : 撫でられ、ばたつかせていた翼を閉じて。
[メイン]
カンナ :
「……喋る私のこと、言っても……
全然怖がらなかった……受け入れてくれた」
[メイン] カンナ : そう、獣も人も変化も等しく受け入れてくれる、この町のように。
[メイン] カンナ : 「透の言う通り、優しい人だった」
[メイン] カンナ : こく、と頷いて。
[メイン] 本田透 : 先ほどカンナさんが仰ったとおり、人に関わったことで後悔するかもしれません。
[メイン] 本田透 : ですが、私は関わらないことで後悔だけは絶対にしたくありません。
[メイン] 本田透 : カンナさんも、そんな風に思ってくれたら…なんて思います。
[メイン] 本田透 : カンナの言葉にニコリと笑顔を向ける。
[メイン]
カンナ :
「……ん、えへへ」
くすぐったそうに、目を細めて。
[メイン]
カンナ :
「……私も、その子のことが気にならないわけじゃないの
人間はちょっぴり怖いな、ってぼんやり思ってただけだから……」
[メイン]
カンナ :
私だって、何か手がかりを見つけたい!
と、ばさばさと翼をはためかせて。
[メイン]
カンナ :
────そこに運よく、鳥が一羽止まる。
セミを取った木に、はぐれたカラスが止まった。
[メイン] 語り手 : けもの判定:難易度4。
[メイン] カンナ : 1d0+1>= 【けもの】判定
[メイン] カンナ : ちがうや
[メイン] カンナ : 1d0+1>=4 【けもの】判定 (1D0+1>=4) > 0[0]+1 > 1 > 失敗
[メイン] カンナ : 想い3消費
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 22 → 19
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
─────カラスは、のんびり屋で、そして流れ者である。
されど、高い知能を有する彼らは、人を見分ける技術を持つ。
[メイン]
語り手 :
ナコという少女は、どうやら運動が得意で、学校ではよく
兄の友達と遊んでいたようだ。
……あまり、同年代の、女友達と遊んでいる様子もなく。
[メイン]
語り手 :
いや、どちらかというと─────運動しかできない少女であり
それでいて、性格面は内向的であったと言えるような、そんな子であったため
女友達の輪に入れなかったのだろう。そのため、兄とよく遊んでいたことが伺える。
[メイン]
語り手 :
カラスが知ることは、ここまでだ。
少女がいなくなる瞬間については、多くは知らない、が。
─────行方不明前日に、かくれんぼをしていた、ということを話す。
[メイン] 語り手 :
[メイン] カンナ : ぱたぱた、とお礼を言うように翼を仰ぎ。
[メイン]
カンナ :
「運動が得意……かくれんぼ……
……なんだか、一緒に遊んだら楽しそう」
[メイン]
カンナ :
子ども故の心の移り変わりの速さ。
人間への恐怖心より、遊びへの好奇心が勝る。
[メイン]
カンナ :
「でも、かくれんぼをしてたら見つからなくなった……
っていうことは、ナコの兄が知ってるのかな、かくれんぼの途中とかに」
[メイン] 本田透 : カラスにありがとうございました。とお礼を述べてからカンナにうなずく。
[メイン] 本田透 : 「そうですね。私もナコちゃんのお兄さんに話を聞いてみようと思っていました」
[メイン]
語り手 :
時刻は夕方。ナコの兄、亨は家にいることが予想できる。
しかし今会いに行っても、ゆっくりとした話は難しいだろう。
[メイン] カンナ : 「むー……」
[メイン] カンナ : 日差しが傾いてきたことに、目を細めて。
[メイン]
カンナ :
「さっきの人も、帰る時間だって言ってたし……
帰らなきゃダメかな」
[メイン] カンナ : 残念そうに目を伏せる。
[メイン] 本田透 : カンナの言葉に空を見上げる。
[メイン]
カンナ :
今この間も、お腹を空かせているかもしれない。
そう思うとばさばさと無意識に翼が動いてしまう。
[メイン] 本田透 : 猫は夜行性だから、本来なら今からが活動時間。しかし人やカンナのような鳥は猫と同じではない。
[メイン] 本田透 : カンナの仕草でその思いを察し
[メイン] 本田透 : 「私も心配です。しかし、もうこんな時間ですから、いったんお三方と合流した方がいいかもしれませんね」
[メイン]
カンナ :
「む……そう、だね
……んむー、今はみんなと一緒に、わかったことをお話しおっか」
[メイン] 本田透 : はい。とカンナにうなずく。
[メイン] カンナ : そう言って、ぱたぱたと翼をはためかせようとする前に。
[メイン] カンナ : 「あと、その」
[メイン]
カンナ :
「透とのやり取りで、ちょっと……人間への考えが、変わったかも
……接してみる勇気、持ってみたい」
[メイン] 本田透 : その言葉に、笑みが漏れる。
[メイン] 本田透 : 「はい!」
[メイン]
カンナ :
その笑みに、変化のあまりない、無表情そうな顔が。
返すように笑って。
[メイン] カンナ : そして、ぐうう、と腹の虫が鳴った。
[メイン]
カンナ :
「……むー、おなかすいた!
また何か食べたい!」
[メイン] 本田透 : 「…あはは。それでは、帰りながら何か捕まえましょう」
[メイン] カンナ : やったー!と、喜ぶように羽をばたつかせて。
[メイン] カンナ : 一匹と一人。いや2匹の獣が、夕方の夜道を歩いていく。
[メイン]
カンナ :
謎は解けていくようで深まっていく。
着々と進んでいたとしても、掛けた時間だけお腹は減るのだ。
[メイン] カンナ : そう────きっと、あの子も同じように。
[メイン] カンナ : 透の接してる通り。私たちと人間は、変わらないかもしれない。
[メイン] カンナ : それなら私は、お腹を空かせる人がいないようにしたい。
[メイン] カンナ : 日は、落ちて行く。
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン]
語り手 :
本田:老婆に対し、優しい女の子として接したその懸命さに夢+3
カンナ老婆と、そしてナコの情報を見て、人間に向き合い始めるその成長の種に、夢+2
[メイン] system : [ カンナ ] 夢 : 85 → 87
[メイン] カンナ : 人と親しい猫の顔を見せてくれた変化の先輩、透に+10
[メイン] 本田透 : カンナさん+10 私が動きやすいようにしてくれたので。気持ち的には100あげたいのですが、インフレするので10で。
[メイン] system : [ 本田透 ] 夢 : 130 → 143
[メイン] system : [ カンナ ] 夢 : 87 → 97
[メイン] system : [ 鳳凰 ] 想い : 24 → 21
[メイン] 犬 :
[メイン2] system : [ 犬 ] 夢 : 75 → 78
[雑談] system : [ 犬 ] 夢 : 78 → 178
[メイン2] system : [ シロ ] 夢 : 5 → 8
[雑談] system : [ 犬 ] 夢 : 178 → 188
[メイン2] system : [ シロ ] 夢 : 8 → 38
[雑談] system : [ 本田透 ] 夢 : 143 → 243
[メイン] system : [ 鳳凰 ] 夢 : 105 → 227
[雑談] system : [ シロ ] ふしぎ : 21 → 36
[雑談] system : [ シロ ] 想い : 24 → 38
[メイン] system : [ 犬 ] つながり : 15 → 19
[つながり] system : [ シロ ] 想い : 38 → 39
[メイン] system : [ カンナ ] 夢 : 97 → 197
[雑談] system : [ 本田透 ] ふしぎ : 16 → 26
[雑談] system : [ 本田透 ] 想い : 22 → 36
[メイン] system : [ カンナ ] ふしぎ : 25 → 40
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 19 → 34
[メイン] system : [ 鳳凰 ] ふしぎ : 25 → 40
[メイン] system : [ 鳳凰 ] 想い : 21 → 35
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 場面『もののけの森』 場所:八万森 時間:夜
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
─────薄暗い森。夜行性の動物や虫たちが脈打つ世界。
そこへあなた達は足を踏み入れた。
[メイン]
語り手 :
かくれんぼをするには、確かに絶好のスポットである。
様々な、自然が織りなす神秘が辺りにある。
木々によって作られる隙間に、岩陰。
[メイン] 語り手 : けもの判定:難易度6
[メイン] シロ : 1d0+4>=6 【けもの】判定 (1D0+4>=6) > 0[0]+4 > 4 > 失敗
[メイン] シロ : 想いを2消費するゾ
[メイン] system : [ シロ ] 想い : 39 → 37
[メイン] カンナ : 1d0+1>= 【けもの】判定
[メイン] 犬 : 1d0+1>=6 【けもの】判定 (1D0+1>=6) > 0[0]+1 > 1 > 失敗
[メイン]
カンナ :
またまちがえた
想いを5消費
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 34 → 29
[メイン] 犬 : 想い5消費
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 3匹の獣は森の中、本能を手繰り寄せ、人間の臭いを嗅ぎ分けようとするも……。
[メイン]
語り手 :
………ある場所で、途切れてしまっていた。
その場所は、なんてことない、ただの平地。
[メイン] 犬 : 「……あれ?」
[メイン] シロ : 「なんだか…逆に薄気味悪いゾ」
[メイン] カンナ : ふわり、ばさり。翼をはためかせ、夜の森を飛来していく。
[メイン]
カンナ :
夜という事もあり、途中木々にぶつかりそうにながらも。
ナコへの”想い”を心に秘め、くじけずに。
[メイン] カンナ : 犬である二人の嗅覚を頼りにここまでやってきたのだが────。
[メイン] カンナ : 「……どうしたの?まさか……見失っちゃった?」
[メイン] 犬 : 「うん…おかしいな、どうなってるんだろう」
[メイン] シロ : 「ああ…ここまでは臭いがあったんだけどここで急に途切れて…」
[メイン] カンナ : ばさ、ばさと空を切りながら空を飛び。
[メイン]
カンナ :
「むうぅ。お~い、ナコ~?」
平地に、呼びかけるように声を上げる。
[メイン]
犬 :
「途切れてるって事は…下?それとも上?」
上下に顔を向ける、あるいは…神隠し?
[メイン] シロ : 「ナコちゃーんでてこーい!」
[メイン] 語り手 : ─────へんげ判定:10。
[メイン] カンナ : 1d0+3>=10 【へんげ】判定 (1D0+3>=10) > 0[0]+3 > 3 > 失敗
[メイン] カンナ : 7消費ー
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 29 → 22
[メイン] 犬 : ここは…
[メイン] 犬 : めがみ使用、このシーン中へんげ+4
[メイン] system : [ 犬 ] ふしぎ : 40 → 30
[メイン] 犬 : 1d0+4+4>=10 【へんげ】判定 (1D0+4+4>=10) > 0[0]+4+4 > 8 > 失敗
[メイン] 犬 : 更に想い消費!
[メイン] system : [ 犬 ] 想い : 30 → 28
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
・「八万森について」
緑生い茂る巨大な森。変化の住処でもある。この森は、子ども達の遊び場所としても適しており、よく変化達も川辺等で子ども達と遊んでいる。
ただ、この森に住むもののけは一枚岩ではなく、二つの意見に別れている。一つは、人間と一緒に生きることに喜びや楽しさを感じるというもの。そしてもう一つは、人間は住処を奪っていく、穢れた存在であるというもの。
後者は、人間を寄せ付けないために、【へんげ】で縄張りに結界を作っているのだが、子どもというのは純粋な生き物であり、中には【へんげ】な力を有する者もいる。そういった子どもが、入ってはならない領域に踏み込んでしまうこともあるかもそれない。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : カンナとまどかは、この平地に……結界が張られていることを察するだろう。
[メイン] カンナ : 「……んん、これは……【へんげ】で出来た、結界」
[メイン] 犬 : 「この向こうに…水野ちゃんが」
[メイン]
カンナ :
変化だから理解できた、その違和感。
言われてみなければわからないが、この平地はゆがんで見える。
[メイン]
シロ :
「そうだったのか。オラ全然わからなかったゾ」
神様からもらった力はどちらかといえばパワーですべてを解決する方向の力だったので気づかなかった
[メイン]
カンナ :
しかし、この歪みに気づかなければ────そう。
隠れんぼの絶好のスポットとして、入り込んでしまうかもしれない。
[メイン] カンナ : こくり、と二人に頷いて。
[メイン2] system : [ 本田透 ] 想い : 36 → 35
[メイン] カンナ : 「ただ、壊すのは向こうに迷惑がかかっちゃう」
[メイン] カンナ : ばさり、ばさりと翼をはためかせ。
[メイン] カンナ : ばさ、ばさ、ばさ。
[メイン]
シロ :
「カンナは優しいんだな~」
僕だけだったら何も考えず壊していただろう
[メイン] カンナ : その翼を仰ぐ勢いは、どんどん増していく。
[メイン] カンナ : シロの言葉に、えへへ、と無表情そうな顔に微笑が出来つつも。
[メイン] カンナ : 翼の勢いは消えない。風を起こし、言葉を伝えるために────。
[メイン]
犬 :
凄い風…一体何を…?
そう思いながら見届ける
[メイン]
カンナ :
【うわさ】
コスト:8
効果:町の中に噂を流す。誰かを直接的に傷つけたりあまりにも事実と異なる噂はできない
[メイン] system : [ カンナ ] ふしぎ : 40 → 32
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ : 『私たちは変化。そっちに迷い込んじゃったかもしれない、人間の子にお話が合って来たの。開けてほしい』
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ : と、言葉を風に乗せて届かせようと。
[メイン] 沼の土地神 :
[メイン] 沼の土地神 : 「─────そうかい」
[メイン] 沼の土地神 :
[メイン] 沼の土地神 : カンナの前に、緑髪の女が現れる。
[メイン] 沼の土地神 : そして察することだろう。変化ならば。
[メイン] 沼の土地神 : そこに、不可解にも佇む女性は─────この地の、土地神様であることを。
[メイン] カンナ : 「……わわっ!?」
[メイン] 犬 : 「……!」
[メイン] カンナ : ばさばさ、と強い風を仰いでいた力が弱まり。
[メイン] カンナ : 危うく地面に落ちかける。
[メイン]
沼の土地神 :
「ああ驚かせたね、これはすまないすまない」
褐色の女は、表情を変えずに。
[メイン] 沼の土地神 : 落ちるカンナをぽっと受け止め。
[メイン]
沼の土地神 :
「それで、なんだい?人を探している、だったかな?
─────それは、何故かな?」
[メイン]
シロ :
!
びっくりして声も出せなかったまさか土地神様に会うとは思わなかった
それにしても春日部の土地神様とは大違いだなあ…
[メイン] 沼の土地神 : 月で、妖しく光る緑の瞳を3人へ向け。
[メイン] カンナ : もぞもぞ、と土地神の中で翼を動かし。
[メイン]
シロ :
と、そんなことを思っている場合じゃない質問に答えないと
[メイン] カンナ : 「んむ……きっと、お腹が空いてるから」
[メイン] カンナ : と、緑の瞳に青い瞳で見つめ返す。
[メイン] 犬 : 「それは…きっとお家の人達も心配しているから」
[メイン] シロ : 「オラたち女の子が行方不明になっているって聞いて心配になって探しにきたんだゾ。きっとその子一人で心細い思いをしているはずだゾ」
[メイン] 沼の土地神 : ふむ、と顎に手を添えながら。
[メイン] 沼の土地神 : 「………それは、難しいねぇ」
[メイン] 沼の土地神 : 「君達が知る必要も、無いさ」
[メイン2] system : [ 本田透 ] 想い : 35 → 33
[メイン] 犬 : 「…それは一体何故です?」
[メイン] 沼の土地神 : 「……………知らない方が、幸せなことだってあるのさ」
[メイン] 沼の土地神 : まどかへ、緑の瞳を向かせ。
[メイン] カンナ : 「…………」
[メイン]
シロ :
「そんなこと言って隠すなんて土地神様意地悪だゾ」
やっぱり見た目は違うけどあの話の通じない神様と一緒なのかなあ…
[メイン]
カンナ :
「急に現れて、ヘンな事を言ってるかもしれない……
こんな夜中だから、起こしちゃったかもだし」
[メイン] カンナ : ぺこっ、と手の中で頭を下げつつ。
[メイン]
沼の土地神 :
「ははは、すまないねぇ、本当に、こればかりは……
……まぁ、なんだ、私は、君達のことを思って、ね」
[メイン]
沼の土地神 :
「…………」
頭を下げるカンナを見て、目を少し細める。
[メイン] 犬 : 「……」
[メイン]
カンナ :
「……ただ、私たちがここに来たのは……それ故の”想い”があるから
危険は承知だけど、聞いてみたいの」
[メイン] カンナ : みんなも、どうかな、とくるりと顔を向けて。
[メイン] 沼の土地神 : 「……いんや、危険だとか、そういうのでは、ないのさ」
[メイン] 犬 : 「……うん、カンナちゃんの言う通り」
[メイン]
シロ :
「そうだゾカンナ」
「? それならじゃあなんなんだゾ?」
[メイン] カンナ : 「そういうことでは……ない?」
[メイン] 犬 : 「そうではない…?」
[メイン]
沼の土地神 :
「君達に害意が及ぶようなことは、私の地ではない
それは保証しよう、ただ……」
[メイン] 沼の土地神 : ─────ほんの少しの、敵意のような感情が瞳に。
[メイン]
沼の土地神 :
「……森を汚す存在であれば別、というだけさ
私は、沼の土地神 ─────そこに足を沈める者がいても、ね
私は、知らないよ」
[メイン] 沼の土地神 : そう言い、ひらりと服を風に揺らすと─────。
[メイン]
沼の土地神 :
沼の土地神の立つ背後の光景に、揺らぎが生じる。
─────そしてそこには、"沼"が。
[メイン]
カンナ :
「…………!
その言い方だと、まさか……」
[メイン] 沼の土地神 : 「私はもう一度言う」
[メイン]
カンナ :
バッ、と翼が開く。
手の中から、沼へ。一気に飛び立とうとする。
[メイン]
沼の土地神 :
「─────君達変化が、無駄に悲しむことはない、そう思っている
知らなくていいことは、この世にうんとある」
[メイン] 沼の土地神 : 自身の横を過ぎる、1羽の鳥へ目をやりながら。
[メイン]
犬 :
「カンナちゃん!」
後を追う
[メイン]
シロ :
「カンナ!」
追う
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
─────そして三匹が、沼へと辿り着く。
そこは、本来であれば、神秘を持つ者でないと辿り着けない
自然豊かな、清らかな場所であるが。
[メイン] 水野 ナコ : 「……ひっぐ、ぐすっ……」
[メイン]
水野 ナコ :
─────少女が、沼の傍で、泣いていた。
身をかがめながら。
[メイン]
シロ :
「良かった無事だゾ。大丈夫かナコちゃん」
声をかける
[メイン2] system : [ 本田透 ] ふしぎ : 26 → 20
[メイン]
水野 ナコ :
「……っ!?……わ、わん、ちゃん……?あれ……?
ど、どうして、おしゃべり……?」
[メイン]
犬 :
「……!」
「ナコちゃん!大丈夫!?」
[メイン] カンナ : 「……どうしたの?平気?」
[メイン]
カンナ :
ばさばさ、と。翼を広げて。
人間には鳥にしか見えないソレが、喋っている。
[メイン]
シロ :
「あっ」
うっかり犬のまま話しかけちゃった
[メイン] カンナ : 「あ、え、ええっと……ううぅん……」
[メイン]
カンナ :
人に化ける(不完全)
コスト:2
[メイン] system : [ カンナ ] ふしぎ : 32 → 30
[メイン] カンナ : 「な、なんでもないっ!」
[メイン]
犬 :
一応人に化ける
コスト4
[メイン] system : [ 犬 ] ふしぎ : 30 → 26
[メイン]
シロ :
しんちゃんになっておくゾ…♠
コスト4
[メイン] system : [ シロ ] ふしぎ : 36 → 32
[メイン]
カンナ :
ぽふん、と。カンナの雪のように白く、鳥としては大きい姿が。
人のソレに、近く変化していく。
[メイン] 水野 ナコ : 「!?!?!?!?」
[メイン] 水野 ナコ : 大変ビックリしている様子だ。動物達が、人に化けたのだ。
[メイン] 水野 ナコ : 目を真ん丸にし、3人を見ている。
[メイン] カンナ : もっとも急ごしらえであったため、頭には角、尻尾などが付いたままだったが。
[メイン]
カンナ :
「え、あれっ!?び、びっくりさせないために変わったんだけど……
もしかして、こっちの方がびっくりしてる?」
[メイン]
水野 ナコ :
「えっ……えぇっ……!?な、なに……!?
やだ……こわいよぉ……おにいちゃん……」
[メイン] シロ : 「みたいだゾ」
[メイン] 水野 ナコ : 目をうるうるとさせる。涙が浮かび上がってきている。
[メイン] カンナ : シロの言い分に、はっと、目を真ん丸く。
[メイン] 犬 : 「ああっ、どどどうしよう…」
[メイン] カンナ : 「……私、た、たべない!私たちは、えっと、あなたのこと……見つけに来たの!」
[メイン] 水野 ナコ : 「………ふぇ……?」
[メイン] カンナ : ばたばた、と小さな手を振りながら。
[メイン] 水野 ナコ : 「私を……見つけに……?……あなた達は……?」
[メイン]
シロ :
「オラたち神様から不思議な力をもらった動物なんだゾ。ナコちゃんを助けに来たんだゾ」
ええいもう仕方ないいっそ全部言ってしまうか
[メイン] 犬 : 「私は鹿目まどか、ナコちゃんが心配で探しに来たの」
[メイン] 水野 ナコ : 「ふ、ふしぎな……力……!?……そんなのが、あるんだ……」
[メイン] 水野 ナコ : 「……あっ、わ、わらひ、ナコって言いますっ……!」
[メイン] 水野 ナコ : 目元をごしごしと袖で拭き、3人へぺこりと。
[メイン] カンナ : こくり、と二人に頷いて。
[メイン] 語り手 : ─────月を少し包んでいた雲が、完全に退く。
[メイン]
カンナ :
「私はカンナ、えっと、それで……
お腹空いてない?だいじょうぶ?」
と、顔をのぞき込むようにして。
[メイン] 語り手 : へんげ判定:8
[メイン] カンナ : 1d0+3>=8 【へんげ】判定 (1D0+3>=8) > 0[0]+3 > 3 > 失敗
[メイン] カンナ : 5消費ー
[メイン] 犬 : 1d0+4+4>=8 【へんげ】判定 (1D0+4+4>=8) > 0[0]+4+4 > 8 > 成功
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 22 → 17
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : ─────ナコには、影が無かった。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] カンナ : 彼女の顔色を見ようとした、その時だった。
[メイン] カンナ : 「────え?」
[メイン] カンナ : ぐしぐし、と目を擦る。
[メイン] 犬 : 「……」
[メイン] シロ : 「どうしたんだゾ?カンナ?目にゴミでも入ったか?」
[メイン]
水野 ナコ :
「………ふぇ……?」
そんな二人へ、首を傾げる。
[メイン] 水野 ナコ : 「あ、あうぅ……わ、私……何か、変なことで……も……?」
[メイン] 水野 ナコ : 不安そうな表情を向ける。
[メイン] カンナ : 「…………」
[メイン]
シロ :
「うーんオラ、ナコちゃんは変なことやってないと思うけどなァ……」
何も気づいてない
[メイン] 犬 : GM、ナコちゃんのほっぺに触れます
[メイン] 犬 : ……触れますか?
[メイン] 語り手 : 透けるでしょう。
[メイン] カンナ : 「……あっ」
[メイン] 水野 ナコ : 「……ふぇっ……!?!」
[メイン]
カンナ :
目をぱちぱち、と見開く。
けれど、影のない彼女の姿は変わらずに。
[メイン]
カンナ :
人間であれ、獣であれ。生きる者────いや、”この世にあるもの”が持つ、存在の証明。
光に照らされ、映し出されるはずの影。
[メイン] カンナ : それがないということは、つまり。
[メイン] カンナ : 「……なにが、あったの……?」
[メイン]
水野 ナコ :
「…………??……え、えぅっ……?」
質問の意図が分からず、おどおどとしている。
[メイン] カンナ : 「…………むー」
[メイン] カンナ : すとん、とナコの隣に座る。
[メイン] カンナ : 「やっぱり、いい」
[メイン]
水野 ナコ :
「ふぇっ、あ、ぅ……はいぃ……」
再びぐずり始める。
[メイン] シロ : 「さっきからカンナは情緒不安定だぞ。まどかはなんか触ろうとしてやめるし」
[メイン] 水野 ナコ : 「……ぅぅぅ……おにいちゃん……」
[メイン] カンナ : シロに、目配せで”影がない”ことを伝え。
[メイン] カンナ : 「……ナコ、お腹空いた?」
[メイン] カンナ : ちらりと、隣にいる彼女に尋ねる。
[メイン]
シロ :
「えっ!?」
伝えられた情報にびっくりする
[メイン]
水野 ナコ :
「……?お、お腹、ですか……?……ぅぅ、言われてみれば……
……あんまり、空いてない、かも……?」
[メイン] 水野 ナコ : 5日間である。5日間、ずっとここにい続けた彼女は、腹を空かせていない。
[メイン]
水野 ナコ :
「………ご、ごめんなさい……」
カンナの意図にそぐわない答えだったかもしれない、と思い、ぺこぺこと謝る。
[メイン]
カンナ :
「……んむ、いいの
こちらこそ、ヘンなこと聞いちゃってごめんね」
[メイン] カンナ : ぺこっと、頭を下げる。
[メイン] カンナ : 二人の少女が、お互い同士に謝り続けているおかしな状況が生まれた。
[メイン]
水野 ナコ :
「あ、あうぅ………」
もじもじとする。
[メイン] 水野 ナコ : ─────ナコは、女友達がいなかった。
[メイン] 水野 ナコ : だから、どうしたらいいか、分からなかった。
[メイン]
水野 ナコ :
「……あ、あの……あなたは、ここに……えっと
た、助けにって……言っていた、ような………?」
[メイン] カンナ : はっ、とした顔になる。目が丸くなり。
[メイン]
カンナ :
「えっと、そう
私たちはあなたを助けに、ここまで来たの
……帰りたい、よね?」
[メイン]
水野 ナコ :
「あ、ぅぅ……え、っと……は、い……
………その……おにいちゃんが、心配してるから……
おにいちゃんに、謝りたくて……会いたい、の……」
[メイン] 水野 ナコ : 「……そ、その……あ、あの、えっと……!」
[メイン]
水野 ナコ :
「………私、どうしてか、わかんない、けど……
帰ることが……できない、の……」
顔を俯かせながら、悲しそうにそう告げる。
[メイン] 語り手 : へんげ判定:6
[メイン] カンナ : 1d0+3>=6 【へんげ】判定 (1D0+3>=6) > 0[0]+3 > 3 > 失敗
[メイン] 犬 : 1d0+4>=6 【へんげ】判定 (1D0+4>=6) > 0[0]+4 > 4 > 失敗
[メイン] カンナ : 3消費
[メイン] system : [ カンナ ] 想い : 17 → 14
[メイン] 犬 : 1d0+4+4>=6 補正入れるの忘れてた (1D0+4+4>=6) > 0[0]+4+4 > 8 > 成功
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : ─────地縛霊だろう。
[メイン] 語り手 : この沼に、縛られてしまっている。
[メイン]
語り手 :
かくれんぼしていること。
そして、兄を探していること。
それらの想いが、彼女を具現化し。
[メイン] 語り手 : ─────死体の傍に、存在し続けている。
[メイン]
シロ :
「ええー多分不思議な力が邪魔しているんだぞ。それならオラたちと一緒に帰れば大丈夫だぞ」
与えられた情報を理解するまでに時間がかかった
どうやら彼女は幽霊らしい
でも幽霊だからって僕たちがやることは変わらないはずだ
[メイン]
シロ :
「だってまどかとカンナはそっちの方に詳しいもんな? そうだろ?」
二人の方を向く
[メイン] 犬 : 「……うん、」
[メイン]
水野 ナコ :
「! ほ、ほんと……?おにいちゃんに、会える……!?」
目がキラキラと。
[メイン] 水野 ナコ : ナコという少女は、本当に、亨のことが大好きなようだ。
[メイン] カンナ : 「…………む、ぅん」
[メイン] カンナ : 「ナコは……兄のこと、随分好きなんだね」
[メイン] カンナ : 泣きじゃくっていた彼女が、兄の事になると顔がにこやかになるのを見て。
[メイン] 水野 ナコ : 「! うんっ!」
[メイン] 水野 ナコ : カンナの言葉に、強く頷く。
[メイン]
水野 ナコ :
「おにいちゃんは……私が、一人ぼっちでいる時も……一緒にいてくれて
一緒に、遊んでくれて………だから、すごく、大好きなの……」
[メイン]
水野 ナコ :
「私………あんまり、友達いない、から……」
自嘲するように、えへへぇ……と笑いながら。
[メイン] カンナ : 「んむ」
[メイン] カンナ : すとんっ、と座り直す。
[メイン]
シロ :
「優しいお兄ちゃんなんだな~」
その言葉にしんちゃんとひまわりちゃんを思い出す。
しんちゃんはなんだかんだ言うもののひまわりに優しいお兄ちゃんだったな…
きっとそのお兄ちゃんも心配しているだろう会わせてあげないと
[メイン]
カンナ :
「お兄ちゃんに会えない今は、私が傍にいる
そしたら今は……一人ぼっちじゃなくなると思う」
[メイン] 犬 : 「…そうだね、私も一緒にいるよ」
[メイン]
水野 ナコ :
「………!……いい、の……?……そ、その、私……
女の子なのに……力が、強くて……かわいいこととか、あんまり
知らなくて……そ、それに、おしゃべりも、得意じゃなくて……」
[メイン]
シロ :
「そんなの関係ないゾ。オラとオラの友達は優しいんだゾ」
この町に来て右も左もないわからない僕を受け入れてくれた僕の友達がそんなことを気にするわけもない
勿論僕もそんなことは気にしない
[メイン]
水野 ナコ :
「……!」
目を開かせ、爛々とさせる。
[メイン] カンナ : 「それに、私の方が力強いもん」
[メイン] カンナ : と、沼の近くにあった枝を握り。
[メイン] カンナ : ばーん、とはじけ飛ぶ。
[メイン] 水野 ナコ : 「わ、わぁ……!ほんとだ……すっごい……!」
[メイン] 水野 ナコ : パチパチと拍手をする。
[メイン] カンナ : シロに頷いて。
[メイン] 犬 : 「それに…ナコちゃんは可愛いよ?」
[メイン] 水野 ナコ : 「……ふぇっ……!?!!??!?」
[メイン]
水野 ナコ :
まどかの言葉に、目を白黒とさせる。
あたふたとしながら、そ、そんなことない!と言いたげに、首を横にぶんぶん振る。
[メイン] 犬 : (かわいい)
[メイン] 沼の土地神 : 「─────そこまでにしよう、変化達よ」
[メイン] カンナ : ほへぇ~、と顔をナコに向けつつ。
[メイン] カンナ : 「…………む」
[メイン] 犬 : 「……」
[メイン] シロ : 「なんかあるのかゾ?」
[メイン]
沼の土地神 :
「変化には、知ってほしくなかったが……仕方あるまいよ
ただ、分かったであろう?」
[メイン] 沼の土地神 : シロの言葉に頷き。
[メイン]
沼の土地神 :
「端的に言おうか、その人間は禁忌を侵した
この神秘の沼に足を踏み入れるとは、な
さもありなんよ」
[メイン]
沼の土地神 :
「霊体は、感情によって現界し続けるものであるが
時がそれを解決する」
[メイン] 沼の土地神 : 「土偶時代の霊もいないしな、そういうものよ」
[メイン] カンナ : 「…………」
[メイン] シロ : 「うう…あまり難しいこと言われてもオラわからないけど、時間がたてば幽霊はいなくなるってことかゾ?」
[メイン] 沼の土地神 : ああ。と肯定する。
[メイン]
犬 :
「……それなら」
沼の土地神の方に振り返り
[メイン]
カンナ :
沼の土地神が言っているのは、つまり。
幽霊の自然消滅。獣がいつか他の獣に淘汰されるように、幽霊もまた。
想いを抱えた理由もわからなくなった時に、消える。
[メイン] カンナ : もちろん、カンナが全部を理解できたわけではないが。
[メイン]
カンナ :
この状況が、ナコにとって良いものではない、と。
それだけはわかった。
[メイン]
犬 :
「彼女をここから出してあげてください」
「もう彼女は……既に対価を払いきったはずです」
[メイン]
シロ :
「そうだゾ。ナコちゃんは帰りたがっているんだゾ」
[メイン] 沼の土地神 : 「何故?」
[メイン] 沼の土地神 : 「そもそも、だ」
[メイン] 沼の土地神 : 「それこそ手間ではないか?」
[メイン] 沼の土地神 : 「放っておけば、時が解決するものを、何故助力しなければならない?」
[メイン] 沼の土地神 : 「─────人間如きに」
[メイン] 沼の土地神 : 憎悪の言葉が、入り混じる。
[メイン] 沼の土地神 : 「人は、森を汚す、沼を汚す」
[メイン] 沼の土地神 : 「今もなお、悲鳴は聞こえる」
[メイン]
沼の土地神 :
「自分達のみの利を得るためだけに、領地を増やす
こんなのは、ただの侵略者ではないか?」
[メイン] 沼の土地神 : 「人間の死体が見つかれば、沼も当然埋め立てられるであろう?」
[メイン] 沼の土地神 : 「危険な沼だものなぁ?」
[メイン] シロ : 「それはまあそうなると思うゾ」
[メイン] カンナ : 「……ん、むぅ……」
[メイン]
カンナ :
むっと、唇を突き出す。
何かを言い返せるわけではなかった。
[メイン] カンナ : それほど、彼女の瞳にこもった人間への憎悪が────父親と重なったからだ。
[メイン] 犬 : 「……死体を移動させればいいんですね?こことは関係ない場所に…」
[メイン] 沼の土地神 : 「死因を偽装するか」
[メイン] 沼の土地神 : 「─────させぬ」
[メイン] 沼の土地神 : 「なぜお前たちが危険を冒さねばならない?」
[メイン] 沼の土地神 : 「変化達よ、何故人間如きのために、そこまで身を削る?」
[メイン] 沼の土地神 : 「平穏に暮らせば良いではないか」
[メイン] 沼の土地神 : 「私は、お前達が悲しみ、苦しむことはさせたくない」
[メイン] 沼の土地神 : 「たかが人間如きのためにッッ!!!」
[メイン] 犬 : 「……」
[メイン]
シロ :
あの目つき…春日部の土地神と同じだった。
何をどうするか完全に決めている目つきだ。
まああの神と違ってこちらの話は聞いてくれるだろうが自分の意志はおそらく曲げないだろう。
[メイン] 犬 : 沼の土地神の気迫に押されながら
[メイン] 犬 : 「それでも、ほっとけないんです」
[メイン] 犬 : 「危険なのは十分承知です、でも」
[メイン] 犬 : 「誰かを助けられるのに、見て見ぬふりをするなんて私にはできません」
[メイン] 沼の土地神 : 「………………」
[メイン] 沼の土地神 : 「……何故だ」
[メイン] 沼の土地神 : 「お前達の生きる住処も、数十年後には奪われているかもしれないのだぞ?」
[メイン] 沼の土地神 : 「それでも、というのか?」
[メイン] 沼の土地神 : カンナ、としてシロにも、怒りの籠った緑の瞳を向け。
[メイン] 犬 : 「はい」
[メイン] カンナ : 「……わかんない」
[メイン]
シロ :
……というかどっちかというと住処を土地神に奪われた方なんだけどなァ
僕
まあそれは今は関係ない答えてあげよう
土地神様は聞いているのだから
僕は言っていることに答えてくれないつらさを知っている
[メイン] シロ : 「オラたち子供達に絶対に見つけるって言っちゃったしなァ…死体なのはもうしょうがないけどできることはしてあげたいんだゾ。嘘つきは泥棒のはじまりってチョッパーも言ってたゾ」
[メイン] シロ : 「オラ泥棒にはなりたくないゾ」
[メイン]
カンナ :
手を握って、開いて。
[メイン]
カンナ :
「私たちが生きる場所がなくなったら、悲しいと思う
ご飯が食べられなくて、お腹がくうくうなる思いは辛いもん」
[メイン]
カンナ :
「それに、人間に怒る理由も……わかんない
あなたに何があったのか、わからないまま
だから、私がこういうのは……よくない、かもだけど」
[メイン] カンナ : スッと目を向けて。
[メイン]
カンナ :
「それでもナコちゃんは”お腹が空かないから”
せめて、ナコちゃんの想いを届けてあげたい」
[メイン]
カンナ :
お腹が空くのもつらい。でも、食べ物を食べられないのも、同じくらい辛いはずだから。
それなら、せめて、別の”したいこと”をしてほしい。
[メイン] カンナ : まだ、聞けてないけど。と、付け加えて。
[メイン] 沼の土地神 : 「………………………」
[メイン] 沼の土地神 : 「…………」
[メイン]
沼の土地神 :
ふわりと、緑の髪を揺らめかせ。踵を返す。
そして、そっと片腕を持ち上げ。
[メイン] 沼の土地神 : パチン。と指を鳴らす。
[メイン] 沼の土地神 : 「─────私の沼は、深い、底無しだ」
[メイン] 沼の土地神 : 「変化と言えど、身を沈めれば危ういだろう、故に」
[メイン] 沼の土地神 : 緑の瞳は─────その視線を、沼へ。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : ぷかりと浮く。
[メイン] 語り手 : 少女の、生々しい死体が。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 緑髪の女はそして、消えた。
[メイン] シロ : 「……ありがとうだゾ。沼の土地神様。やっぱり春日部のとは大違いだったぞ。一緒にしてごめんな」
[メイン] 犬 : 彼女がいた方に向かい
[メイン] カンナ : 「……っ」
[メイン] 犬 : 感謝を伝える
[メイン] カンナ : こくり、と頭を下げる。感謝の証として。
[メイン]
カンナ :
そして、見える。
先ほどまで話していた少女の、凄惨な死体。
獣であるからこそ、死体に見慣れているカンナでも。流石に”見知った者”の死体への衝撃波、喉を詰まらせるに足りていた。
[メイン] カンナ : そっと、ナコの瞳を手で隠し。
[メイン]
シロ :
「……ナコちゃんを家に帰そうゾ。……お兄ちゃんに会わせてあげるんだゾ」
それがどういうことになるかは…うすうす分かっている。
でももうこれしかない……土地神様の厚意に報いるためにも早く帰らせてあげるべきだろう
[メイン] 犬 : 「……うん、そうしよう」
[メイン] カンナ : シロに、こくりと頷く。
[メイン] シロ : 「……でもその前にこんな汚れたお洋服じゃかわいそうだからおめかしした方がいいと思うゾ。まどかならできるんじゃないか?」
[メイン] 犬 : 「そうだね…ちょっとやってみるね」
[メイン] カンナ : 「……!やってあげて!」
[メイン]
犬 :
綺麗な服と肌にへんげさせる
ただし死は分かるように
[メイン]
語り手 :
判定は、不要。
ナコの衣服は綺麗なものとなった。
[メイン] 犬 : 「……うん、これで」
[メイン] シロ : 「ありがとうだゾまどか。ナコちゃんを運ぶのはオラがやるぞ。オラこんなことぐらいしか役に立てないし」
[メイン] 犬 : 「じゃあ、お願いね」
[メイン]
カンナ :
「んむ、シロは力持ちだもんね
まどかも……ありがとう」
[メイン]
シロ :
「よいしょっと…」
優しくナコを背負う
これ以上傷つかないように
[メイン] カンナ : シロが運んでくれたおかげで、もうナコの視界には死体は見えないだろう。
[メイン] カンナ : まどかのへんげで、エンジェルケアが整った。
[メイン] カンナ : そうして、塞いだ目を、開かせるために、離す。
[メイン] カンナ : 「えっと、ナコ」
[メイン] 水野 ナコ : 「─────はっ……!?」
[メイン] 水野 ナコ : 沼の土地神様の気迫に押され、立ちながら気絶していた、ナコの霊。
[メイン] 水野 ナコ : 慌てて、カンナの方へ振り向き、なんでしょうかっ!と、わたわたする。
[メイン]
カンナ :
だいじょうぶ?と顔をのぞき込む。
どうやら見えていないようで、胸を撫で下ろす。
[メイン]
カンナ :
「んっとね、今から私たちとナコは……
ナコの兄の元に、行くの」
[メイン] 水野 ナコ : 「………!!ほ、ほんと……!?」
[メイン] 水野 ナコ : 「やった……!おにいちゃんと、えへへ……」
[メイン] カンナ : 「…………」
[メイン] カンナ : そんな、無邪気な顔を見て。
[メイン] カンナ : ずっきん、と胸が痛くなる。
[メイン] カンナ : 変わらない。人間も獣も。
[メイン]
カンナ :
大切な人に会いたいって思いは変わらない。
……なのに、なんでこんなことになっちゃうんだろう。
[メイン] カンナ : 無表情そうな顔が、歪みながらも。
[メイン]
カンナ :
「……それで、えっと
……まだ、お兄ちゃんと会うには、時間がかかるみたいだから」
[メイン] カンナ : 「お話、しよ?」
[メイン] カンナ : 小さなカンナが、幼い頭を使って導き出したのは、これくらい。
[メイン] 水野 ナコ : 「! う、うんっ……!お話、上手じゃないけど……頑張るっ!」
[メイン] 水野 ナコ : 両手をきゅっと握り、気合を入れるようなポージング。
[メイン]
カンナ :
土地神が言っていたように、いつか幽霊は消える。
それは、ナコ自身に関する記憶だってそうだろう。
[メイン]
カンナ :
うわさになっていたとしても、いつか消える。
そんな儚いものなら、せめて。
[メイン] カンナ : ……知ってあげたい。知りたい。
[メイン] カンナ : と思うのは、果たして咎なのか。
[メイン] カンナ : お喋り上手じゃなくてもへいき、と返して。
[メイン]
カンナ :
「ナコの兄のこととか、あと、かくれんぼのこととか
人間の遊び、もっと教えてほしいの」
[メイン] カンナ : 私だって動物だからね、と付け加え。
[メイン]
水野 ナコ :
「! うんっ……!!おにいちゃんのことなら、いっぱい話せる!
あのね、あのね、おにいちゃんはね、運動がすっごく上手で
駆けっこも、速くて!だから私もたっくさん真似して……!」
[メイン]
水野 ナコ :
「えへへ、おにいちゃんと一緒に遊ぶの楽しくて
それでね、それでね……!側転できるようになったってね!
おにいちゃんに話したら、褒めてくれて……えへへへ」
[メイン]
カンナ :
おぉ、すごい……と、目を点にする。
[メイン]
カンナ :
「ふんふんふん」
無表情そうな顔。けれど、しっかりと、何度も頷いて。
[メイン]
水野 ナコ :
「あと、えっとえっとえっと……かくれんぼは、えーとね!
鬼になった人が、隠れた友達を見つける遊びなのっ!
すっごく面白いよ!私も鬼をやっててね!だから
おにいちゃんをずぅーっと探してて……」
[メイン]
カンナ :
「そうだったんだ……
でも、遊んでくれるなんて……いいお兄ちゃんだね
私のお父さんとは、段違いだもん」
[メイン] カンナ : 「……今度、一緒に遊んでもいい?」
[メイン]
水野 ナコ :
「うん!世界で一番大好きなおにいちゃんで……
……ふぇ?おとーさん……?」
[メイン] 水野 ナコ : こてん、と小首を傾げながらも。
[メイン]
水野 ナコ :
「! うんっ!私、お友達いっぱいほしい!
一緒に、遊ぼ!」
にこっ!と笑う。
[メイン]
カンナ :
どうしてこんなことを言ったのかわからない。
でも、ナコと一緒に遊びたかったから。
[メイン]
カンナ :
「えへへ、優しいんだね……
それじゃあ────今から友達になろ、ナコ!」
[メイン] 水野 ナコ : 「!!!!!!」
[メイン] カンナ : と、にこっと笑い返した。
[メイン] 水野 ナコ : 「─────うんっ!!よろしくね、カ、カンナ、ちゃん!!」
[メイン] カンナ : ナコは、笑っていた。
[メイン]
カンナ :
とっても元気そうに、明るく、楽しく。
[メイン]
カンナ :
今から、消えちゃうなんて思ってない。きっと、そうなんだろう。
[メイン]
カンナ :
……それが、とっても。
胸の奥が、牙で貫かれたように、ずきずきと痛む。
[メイン] カンナ : その胸の痛みに、顔まで引きつられて、歪みそうになる。
[メイン] カンナ : けど。
[メイン]
カンナ :
あまえんぼう
コスト:8
誰かに甘えることが好き。子どもらしく、笑顔になる。
この場面のみ【こども】+2。
[メイン] system : [ カンナ ] ふしぎ : 30 → 22
[メイン]
カンナ :
【こども】らしく。
起伏のない、無表情そうな顔でも。しっかりとわかるくらいに、笑う。
[メイン]
カンナ :
せめて、彼女の願いのために。
不安にさせちゃいけない、から────。
[メイン] 水野 ナコ : ─────えへ、えへへへ。嬉しいなぁ。
[メイン] 水野 ナコ : あれ……。
[メイン] 水野 ナコ : ほろりと、涙が零れる。
[メイン] 水野 ナコ : ………あ、あうぅ、嬉しいのに、泣いちゃ、だめ、なのに……。
[メイン] 水野 ナコ : 「………えへへへ……ありがとう、カンナちゃん」
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
ある土地神の戒めを
ある少年の悔いを
そして、ある少女願いを果たした、変化達。
[メイン] 語り手 : ─────画竜点睛を、成す。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン]
語り手 :
まどか:少女に寄りそうものとして、強い芯がそこに立っていて、見ていて燃えた 夢+5
シロ:自分の過去の記憶を巡らせながら、障壁に対しても、シロとしての答えを貫いていたのがグッと来た 夢+5
[メイン]
水野 ナコ :
カンナ:─────ありがとう。
夢+10
[メイン]
シロ :
本田おねーさん・鳳凰 ナコちゃんのお兄さんを向かわせてくれてありがとうだゾ
犬 あんなこわい神様相手によく啖呵を切ったゾ
カンナ ナコちゃんと友達になれてよかったなァ…
+1000
沼の土地神様 春日部の土地神なんかと一緒にしちゃってたの申し訳ないゾ
あまりにも失礼なことを言ったおわびとして+∞しておくゾ
[メイン]
カンナ :
沼の土地神:ナコのために認めてくれてありがとう
シロ: ナコのために傷つかないようにしてくれてありがとう
犬: ナコのためにいっぱい言ってくれてありがとう
[メイン] カンナ : ナコ:……友達で、いてくれて、ありがとう
[メイン]
犬 :
シロ:シロは優しいね…+20
ナコちゃん:後は出会いに行くだけだよ!+20
沼の土地神様:話聞いてもらってありがとうございます+20
カンナちゃん:ラストシーンよくやったよ!+100
[雑談] system : [ 本田透 ] 夢 : 243 → 1258
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : 場面『さいかい』 場所:二人の場所 時間:夜明け
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン]
水野 亨 :
「─────はぁ……!!はぁ……!!!ここに、ナコが……!?」
ぐっしょりとした汗を滲ませながら、少年は森を駆けあがり。
[メイン] 水野 亨 : そして─────再会する。
[メイン] 水野 ナコ : 「……………………」
[メイン]
水野 ナコ :
─────月の光に当てられ、綺麗な衣服を身に纏う。
1人の少女が、平原で、安らかに。
[メイン] 水野 亨 : 「………ナ、コ……?」
[メイン] 水野 亨 : 一歩。
[メイン] 水野 亨 : 「……はは、何やってんだよ」
[メイン] 水野 亨 : 一歩。
[メイン] 水野 亨 : 「かくれんぼは、もうみんな終わっちゃってるんだぞ……?」
[メイン] 水野 亨 : 一歩。
[メイン] 水野 亨 : 「もう、数を数えなくたって、いいんだ、ぞ……」
[メイン] 水野 亨 : 一歩。
[メイン] 水野 亨 : 「………ナコ……?」
[メイン]
水野 亨 :
ナコの体へ手を触れる少年。
……冷たい感触が、伝わる。
[メイン] 水野 亨 : 「……あ……ぁ……」
[メイン] 水野 亨 : 「………なん……で」
[メイン]
水野 亨 :
「……………こんなのって、ない、だろ……!?
なぁ……!?嘘だろ……!?なぁあ!?目を覚ましてくれよ!!
こんなの、悪い夢かなんかだろ……!?!?」
[メイン]
水野 亨 :
強く体を揺するも─────起きない。
触れれば触れるほど、実感する。
[メイン] 水野 亨 : ぼろぼろと涙を流しながら、少年は叫ぶ。
[メイン] 水野 亨 : 「ナコぉぉおおおおおおおおおッッッ!!!!」
[メイン]
水野 亨 :
「おれが!!!おれが……!!!!かくれんぼに誘わなきゃよかったのか!?
なぁ!!!それとも!!おれが、お前にいなくなってほしいって
思ってたのが、いけなかったのか……!?!」
[メイン]
水野 亨 :
「もうおれ!!!そんなこと思ってねぇよ!!!
また一緒に遊ぼうぜ!?なぁ!!!なんで……!!!」
[メイン] 水野 亨 : 「また、あの笑顔を見せてくれよ……なぁ………」
[メイン] 水野 亨 : ぼたぼたと、大粒の涙を、少女のクロスされた手の甲へ、落とす。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 水野 ナコ : 『─────おにいちゃん』
[メイン] 水野 ナコ :
[メイン] 水野 亨 : 「…………!!」
[メイン] 水野 亨 : バッ、と顔を上げる。辺りを見渡すも、誰もいない。
[メイン]
水野 亨 :
だが、ハッキリと聞こえた。幻聴なんかじゃない。
─────最愛の、妹の、声。
[メイン] 水野 亨 : 「ナコ……!?いるのか……なぁ!!ナコ!!」
[メイン] 水野 ナコ : ─────ナコは、ずっと、ずっとそばにいた。
[メイン] 水野 ナコ : 涙を流す亨のそばに、ずっと……。
[メイン] 水野 ナコ : 『……えへへ、おにいちゃん』
[メイン] 水野 ナコ :
[メイン] 水野 ナコ :
[メイン] 水野 ナコ :
[メイン] 水野 ナコ : 『見ーつけた』
[メイン] 水野 ナコ : 亨の肩に手を乗せ。
[メイン] 水野 ナコ :
[メイン] 水野 ナコ :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : ─────光に。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 水野 亨 : 「…………………ナ、コ……」
[メイン] 水野 亨 : 「………ごめ、ん………な………」
[メイン] 水野 亨 : 少年は、妹の亡骸に抱き着き、泣き続けた。
[メイン] 水野 亨 : 涙が枯れ果てるまで、ずっと、泣き続けた。
[メイン] 水野 亨 : 「うっ……ぐずっ……!ナコ……ナコぉぉぉぉ……!!!!」
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 : ─────謝罪の声は、森の中を木霊した。
[メイン] 語り手 : 結末としては、幸せな終わり方だとは言えないかもしれない。
[メイン] 語り手 : それでも、少女の願いを、そして少年の悔いを晴らすことができたのなら。
[メイン] 語り手 : ……ほんの少し、人間の背中を押すことができたのなら。
[メイン] 語り手 : それは、人に寄りそう変化の役目を果たしたと言えるのではなかろうか。
[メイン]
語り手 :
その後、少年がどう生きていくか。
それは─────共に生きていく、あなた達しか分からないだろう。
[メイン] 語り手 : ─────明けない夜はない。
[メイン] 語り手 : 新しい日を告げる太陽が、顔を見せるのであった。
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン] 語り手 :
[メイン]
:
[メイン]
:
[メイン] : 場面『咎と咎』 場所:水野家周辺 時間:夜
[メイン]
:
[メイン] : 兄妹の『さいかい』から数日後。
[メイン]
:
ちょうど、あの日のように月が光っている夜。
水野家──亨の部屋の窓がこつこつと叩かれる。
[メイン] 水野 亨 : 「─────ん」
[メイン] 水野 亨 : がらがら、と窓を開ける。
[メイン] 鳳凰 : 「──あっ」
[メイン] 水野 亨 : 「…………………」
[メイン] 水野 亨 : 「……………」
[メイン] 水野 亨 : 「え?」
[メイン]
鳳凰 :
思ってたより、急に開いたので。
驚いて。
[メイン] 水野 亨 : 少年は、目を数回瞬き。
[メイン]
鳳凰 :
「わ、ぴゃ、ぴっ」
ふらりと、窓の外でバランスを崩し──
[メイン]
水野 亨 :
「え?あれ……?もしかして……神様……?
……って、う、うわあっと……!?」
[メイン]
水野 亨 :
持ち前の運動神経を活かし、咄嗟に手を伸ばし
鳳凰の腕をなんとか掴む。
[メイン] 鳳凰 : 「はうっ」
[メイン]
水野 亨 :
「だ、大丈夫か神様……!?ていうか、落ちたら危ないぞ!?
ここ2階だし!……あれ?でも神様なら平気なのかな……?」
[メイン] 鳳凰 : 亨の手を頼りに、何とか持ち直して。
[メイン]
鳳凰 :
「あ、ありがとうございます…って私を何だと思っているのですか!
落ちたら痛いですよ!!!」
[メイン] 水野 亨 : 「えっ!?そうなの!?神様なのに!?」
[メイン]
鳳凰 :
弱さをアピールしていばりだした──
明言せずとも……
[メイン] 鳳凰 : 例の小鳥
[メイン] 鳳凰 : ……なのは、まあわかるでしょう。
[メイン] 水野 亨 : まぁ、口調とか、色々と、察するアレは、あったわけで。
[メイン] 水野 亨 : 急な慌ただしい訪問に動揺しつつも。
[メイン]
水野 亨 :
よいしょっ。と神様を自分の部屋に引っ張り。
その後、ぽりぽりと頬を掻きながら。
[メイン] 水野 亨 : 「………この前は、ありがとう、神様」
[メイン] 水野 亨 : 「……ナコと、会えたよ、ちゃんと」
[メイン]
鳳凰 :
お邪魔します、と小声で言いつつ体に泥とかついてないかと気にしてから…
亨の顔を見据える。
[メイン]
鳳凰 :
「そ、そうですか…………」
ナコという言葉に一瞬俯いて。
[メイン]
鳳凰 :
「……その後は、どうですか?人の子よ」
話を逸らすように。
[メイン] 水野 亨 : 「……ま、なんとかやってるよ」
[メイン]
水野 亨 :
「おれが背負った罪は、あまりにも大きすぎるけど
……でもさ、知らなかった方が、もっとおれ……辛かったと思うし」
[メイン] 水野 亨 : 「……ナコの分までさ、おれ」
[メイン] 水野 亨 : ─────ニコッ、と笑う。
[メイン] 水野 亨 : 「笑顔を振りまいてみようって思ってんだ」
[メイン]
鳳凰 :
「…………」
目を丸くする。
それから、力なく表情を崩す。
[メイン] 鳳凰 : 「強いのですね、あなたは……亨さんは」
[メイン] 鳳凰 : 本当に、よかった……。
[メイン]
水野 亨 :
「………そ、そんなことねーし」
照れるように、少し頬を朱に染めながら、視線を逸らしつつ。
[メイン] 水野 亨 : 「………と、とにかく、だ」
[メイン] 水野 亨 : 「本当に、ありがとう……な」
[メイン] 水野 亨 : 「……んで、神様はそれだけ言いに来たのかぁ?」
[メイン] 水野 亨 : 話題を逸らすように、眉を少しへし曲げながら。
[メイン]
鳳凰 :
「…!ふ、ふふ……今度は、こちらが心を読まれてしまったみたいです」
目を伏せて。
[メイン] 水野 亨 : その言葉に、得意げにふふん!と笑いながら。
[メイン] 鳳凰 : 「…………あなたは、ありがとうと言ってくれました、が……私には感謝される資格などありません」
[メイン] 鳳凰 : 「だって…あなたは、私の言いつけを果たしてくれたのに。私は、あなたを……。……っ。」
[メイン] 鳳凰 : 「裏切って、しまいましたから」
[メイン] 水野 亨 : 「………………」
[メイン] 水野 亨 : 「……はぁ?」
[メイン]
鳳凰 :
胸を手で押さえて、続ける。
亨さんには…私を、責める権利があります。
[メイン]
鳳凰 :
「…………だって、私…!
神として、亨さんの願いを聞いて。そして、なのに…!
願いを果たせませんでした……!」
[メイン] 鳳凰 : 「……亨さんは、私の言ったとおりに、正面から妹さん…ナコさんと向き合って…それで…」
[メイン] 鳳凰 : 「私の言った罰を受けました。だ、だから…」
[メイン]
鳳凰 :
「だから。こうして、私もあなたとまっすぐ向き合って、罰を受けます…
たっ。例え、それが、どんなものでも…です」
[メイン] 鳳凰 : 絞り出すように。
[メイン]
水野 亨 :
「……………」
真剣な眼差しで、鳳凰の、悲痛な言葉を聞き。
[メイン] 水野 亨 : 真っ直ぐと、向かい。
[メイン]
水野 亨 :
「……神の子よ」
冗談めいたように、可能な限り厳かに。
[メイン] 水野 亨 : 「迷えるあんたの、心の声、聞いたぜ」
[メイン] 水野 亨 : ニヤリ。
[メイン]
鳳凰 :
「あ、え……?」
こわごわと、亨さんの方を見る。
その、言葉、は…。
[メイン] 水野 亨 : 「『願い』は、しっかりと、この耳に聞き届けたぜ?」
[メイン] 鳳凰 : 「な、なんですか…!なんの冗談ですか…!わ、わたしはっ!本気でっ!!」
[メイン] 水野 亨 : わかってるわかってる、と手をひらつかせながら。
[メイン]
水野 亨 :
「まぁ言っちまうと……だ
……おれは、神様のおかげで……ちゃんと、前を向くことができた
確かに、生きたナコと再会はできなかったかもしれないが
……それでもさ、やっぱり」
[メイン]
水野 亨 :
「謝りたいっていう願いは、ちゃんと叶えられたんだ」
ニッ、と笑い。
[メイン]
水野 亨 :
「それでも、神様の暗い気持ちがあるっていうなら
……いいぜ、おれは浄化とかそういう器用な真似はできねーけど
罰を下すくらいはできる」
[メイン] 水野 亨 : そうして拳を突き出し。
[メイン]
水野 亨 :
「知ってるか?人の心って、鏡なんだってよ
つーわけで」
[メイン]
水野 亨 :
「─────おれの前では笑顔になってくれよ
ナコの分も、な」
[メイン]
鳳凰 :
「そ、そんな……」
信じられないものを見る目。
[メイン]
鳳凰 :
「………………」
眉も、目も、唇も、ぷるぷると震わせながら。
[メイン] 鳳凰 : 「じゃ、じゃあ……一つだけ、聞かせてください……」
[メイン]
鳳凰 :
「あ、あなたっ、が……勇気を出して……っ゛
それで、ぜっかくナコさんともう一度であえ゛て!!
[メイン]
鳳凰 :
なのに、あんな風に゛……あ、あ゛ん゛な終わり方で。
もう、二人は゛…二度と会えな゛くて゛…
二人の、せっかく通じだ気持ち゛も…これ゛以上報われな゛ぐで!!
[メイン]
鳳凰 :
……
それでも゛!願いが叶ったっで!言える゛んでずが!!」
[メイン] 水野 亨 : 「………"悔い"は残り続けてる」
[メイン] 水野 亨 : 「咎は、もうおれから離れないと思う」
[メイン]
鳳凰 :
「それが私の咎なんでず…っ」
ずびずび
[メイン]
水野 亨 :
「………確かに、もう二度と……ナコの、あの笑顔が見れないんだなって
そう思うと……今も、多分これからも……胸がいたくなる」
[メイン] 水野 亨 : 自分の胸の辺りをぎゅっと掴みながら、眉を顰め。
[メイン]
水野 亨 :
「…………それでも、一歩進めた
知らないままでいたらおれはもう……何も、変われなかった」
[メイン]
水野 亨 :
「おれを変えさせてくれたのは、誰でもない
神様、あんたじゃないか」
[メイン]
水野 亨 :
「おれは、変わりたかった
……偏屈な自分を、好きなはずなのに、嫌いな感情も持ってるおれを
………自分を肯定したくして、否定したくて、そんな日々を
終わらせてくれた」
[メイン] 水野 亨 : 「─────願いは、叶ったよ」
[メイン] 水野 亨 : 亨もまた、ずずっ、と鼻水を啜る音と共に、また笑みを見せる。
[メイン]
鳳凰 :
「…………。
…………………そう゛、です゛が…」
[メイン]
鳳凰 :
そうですか……
罪を背負って。それでも、前を向いて歩いていくのですね。
[メイン] 鳳凰 : 罪に、後ろを向き続けていたはずの、亨さんが……。
[メイン]
鳳凰 :
そしてそれは、私も同じことなのですね。
咎を背負おうと、ただ。
[メイン] 鳳凰 : 「ぞう゛、でずが……!!!」
[メイン]
鳳凰 :
[メイン] 鳳凰 : 笑おう、と。
[メイン]
鳳凰 :
[メイン]
鳳凰 :
「う゛う゛う゛」
せいっぱいに、笑みを作る。
[メイン]
水野 亨 :
そんな頑張り屋な表情に、つられて亨も瞳が潤み。
それを堪えるように、ぎゅっと拳に力を込めながら。
[メイン] 水野 亨 : 「……あと明日、墓参り行くんだ、神様も……来てくれないか?」
[メイン] 鳳凰 : 「……わ゛、わ゛かりました。ぞれ゛ど…」
[メイン]
鳳凰 :
「…………」
あ、やっぱり恥ずかしい。
[メイン] 水野 亨 : 「………な、なんだよっ……!?じ、焦らすなよ……!?」
[メイン] 鳳凰 : 「そ、その。」
[メイン]
鳳凰 :
「『神様』じゃなくていいです。
私を、ほーちゃんと呼ぶ権利を差し上げます」
……特別、ですよ?と付け加えて。
[メイン] 水野 亨 : 「…………!!……そう、か、それがあんたの名前……いや」
[メイン] 水野 亨 : 「ほーちゃんか、へへっ」
[メイン]
水野 亨 :
「おれも、ほーちゃんにはもっと恩返ししてーしな
ほーちゃんが良ければ、これからもよろしく頼みたいとこだぜ」
[メイン] 水野 亨 : にしし!と笑いながらも、心の温かさに、ほろりと涙が伝いながら。
[メイン]
鳳凰 :
や、やっぱりあんまり気安く呼ばないで…と言おうにも、その顔を見ては…
言えま、せんね…。
[メイン] 水野 亨 : ……無くしたものもあれば、また巡り合えるものもある。
[メイン] 水野 亨 : おれは、過去を過去として切り捨てるつもりは今後もないし
[メイン]
水野 亨 :
だからといって、ほーちゃんみたいに支えてくれた友達の想いも
無碍にはしたくないから、な。
[メイン]
水野 亨 :
おれの中にある、矛盾してるたみたいな感情は、これからもずっと
付き纏い続けるんだろう。
[メイン] 水野 亨 : その二つ両翼で、おれは進み続ける。
[メイン] 水野 亨 : 悔いと、希望。
[メイン] 水野 亨 : ─────ナコ、おれは、お前の分も、強く生きるよ。
[メイン] 水野 亨 :
[メイン] 水野 亨 :
[メイン] 水野 亨 :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] : 「竜は個で生きる生き物だ」
[メイン] : 「他の獣のように群れることはない」
[メイン] : 「ただお前が竜であるなら」
[メイン] : 「助けを求めず」
[メイン] : 「強くあれ」
[メイン] : 「それが”竜”なのだから」
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ : にんげん、人間、人、ヒト。
[メイン]
カンナ :
ミンミンミン、とセミが鳴く。
照り射す太陽の日差しは強く、少し歩くだけでも発汗を引き起こす。
[メイン]
カンナ :
汗をたらたらと流しながら、カンナは森を上っていた。
[メイン] カンナ : 「人の体は、飛ぶこともできない……不便」
[メイン] カンナ : そうは言いつつ、獣にはならず、山を登る。
[メイン]
カンナ :
カンナは、ただ、なんとなく。
今獣の姿になるのは、”友達”と会った場所には不適切だと思ったのだ。
[メイン] カンナ : ……なんかやだ。という気持ちで。
[メイン]
カンナ :
こんな猛暑日でも、登山をする人はちらほら見かける。
カンナを見て子どもだと思い、挨拶をする人もまた。
[メイン]
カンナ :
その人たちは、例外なく。
一人ではなく群れて、集団で集まっていた。
[メイン]
カンナ :
────人には関わってはいけない。
個を成す竜としては不適切なのだから。
[メイン]
カンナ :
人には関わってはいけない。
強くなければ殺されてしまうから。
[メイン]
カンナ :
カンナは”してはいけないこと”を父親から沢山学んだ。
人間への拒否感も同じである。
[メイン] カンナ : だが。
[メイン]
カンナ :
こくり、と。
カンナは挨拶をした者に対して、挨拶をし返した。
[メイン] カンナ : ……人間と獣は、だれでもいっしょ。
[メイン] カンナ : そう、心に秘めながら。
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ : 【うわさ】
[メイン] カンナ : 『沼神さまー』
[メイン]
カンナ :
丸く広がった平野。
周りには何もなく、普通の人が入ってきたのなら気づかない、変哲もない場所。
[メイン] カンナ : そこの中央に、カンナは立ち。
[メイン] 沼の土地神 : 「─────どうした?小龍よ」
[メイン] カンナ : 風を引き起こし、音を伝える。
[メイン] 沼の土地神 : 一つの小さな風。
[メイン] 沼の土地神 : そよ風の向こう側、カンナの横に、緑の女は立つ。
[メイン] カンナ : 「……わっ」
[メイン] カンナ : ぴょこん、とその場でジャンプ。
[メイン]
カンナ :
「びっくりした、前も思ったけど……
沼神さまは、いつの間にか傍にいる」
[メイン] 沼の土地神 : 気難しそうな褐色の、土色の顔が、ほんの少し緩み。
[メイン]
沼の土地神 :
「私は、あの沼を治める神だからねぇ
……いつ神になったかは覚えちゃいないけどね」
[メイン] 沼の土地神 : 「この近くの出来事なら、ぜーんぶ、私の目に映っているよ」
[メイン] 沼の土地神 : ふふ、お天道様はいつでも見ている、と言うだろう?と笑い。
[メイン] カンナ : 「ほわ、この辺り一帯ぜんぶ……?!……沼神様は、つよいんだね」
[メイン] 沼の土地神 : 「………」
[メイン] 沼の土地神 : 緑の瞳を細め。
[メイン] カンナ : ぴょんぴょこ、とその場ではしゃぎつつ。
[メイン] 沼の土地神 : 「……強い、か」
[メイン] 沼の土地神 : そうして、カンナが見ていた平地へと視線を移し。
[メイン] カンナ : 「…………?」
[メイン] カンナ : 首を傾げ、目線を同じ方に。
[メイン]
沼の土地神 :
「強いといっても、私には、ほんの少しの、不思議な現象を起こす程度しか
できることなんてなくて……ね」
[メイン] 沼の土地神 : 「赤子の手」
[メイン] 沼の土地神 : 「─────実際の私は、それも同然じゃあないかな」
[メイン]
沼の土地神 :
「人の気まぐれで、あっという間に沼は埋め立てられるし
この山もそうじゃないかな、木材が欲しい、土地が欲しい
そんな理由で狩り尽くされることだってあるだろうねぇ」
[メイン]
カンナ :
そう……なんだ。
……こうやってパッと現れたり、色んなものを見れるから……とっても強いんだって思ってた。
[メイン]
沼の土地神 :
「そんな状況になっても、あいにくだけど、私には何もできないのさ」
ははは、と笑い。
[メイン] カンナ : 「むぅ……」
[メイン] 沼の土地神 : 「─────そう、見ているだけなのさ」
[メイン] 沼の土地神 : カンナの心中を読むように、ちらりと見て、微小を浮かべる。
[メイン] カンナ : 口をへの字にさせて。
[メイン] 沼の土地神 : 「小龍よ」
[メイン] カンナ : 「……うん」
[メイン] 沼の土地神 : ぽん、と優しくその頭に手を乗せ。
[メイン] カンナ : ちらり、と沼神に目を移し替えて。
[メイン]
沼の土地神 :
「息災で何よりだよ、人は死体を見かけた場合は
もう二度とそういったことを起こさないように行動を起こす
……そのためには、例えどんな相手でも、可能性の目を摘む」
[メイン]
沼の土地神 :
「が……私の住処は、まだ無事みたいだ
となると、小龍達が頑張ったんじゃないかな?」
[メイン]
カンナ :
うにゃ、と小さい声を上げて。
手が置かれた頭に、両手を乗せる。
[メイン] カンナ : 「んむ……そう、なのかな」
[メイン] カンナ : 「……頑張ったって、言えるのか……わかんない」
[メイン] 沼の土地神 : 目を細め、耳にかかる髪を掻き分け。
[メイン] カンナ : ちらっと、目を伏せる。
[メイン]
カンナ :
「……ねえ、沼神さまは……
誰か友達がいなくなったことって、ある?」
[メイン] 沼の土地神 : 「……はは、そりゃあ……ね」
[メイン] 沼の土地神 : にこりと微笑み。
[メイン] カンナ : 「……んむ」
[メイン] 沼の土地神 : 「……辛かったろう?」
[メイン] 沼の土地神 : カンナの頭を優しく撫で。
[メイン]
沼の土地神 :
「私も、できることなら……君達には干渉してほしくなかったし
……小龍よ、今の君を見ても……私の判断は間違っていたんじゃないかって
そう思うくらいだよ」
[メイン]
沼の土地神 :
「─────獣と人は、相容れない
なれば、人には必要以上に干渉しても
余計に心を痛めるだけ ……そうとは、思わないかい?」
[メイン]
カンナ :
「…………んぅう、ううう、ぅんむ……」
撫でる頭に込められた、その優しさに。
思わず声を上げながらも。
[メイン]
カンナ :
「……私、あの子と……友達になったの
兄の話とか、遊びの話とか、色々知らないことを教えてもらって」
[メイン] 沼の土地神 : 「………………」
[メイン] カンナ : 「人間の世界って、あの子って、楽しいことばっかりだって、思えたの」
[メイン]
カンナ :
「沼神様が言うのは、お父さんと似てる……
人とは関わっちゃダメ、ってことば……」
[メイン]
カンナ :
乗せられた手に両手を乗せて。
きゅっと、両手で握りしめて。
[メイン] 沼の土地神 : 「……………人間は、"強い"よ」
[メイン] 沼の土地神 : 「それも、無慈悲に」
[メイン]
沼の土地神 :
「それでも、関わりたい、友になりたい
……そう、思うのかい?」
[メイン] カンナ : 「……ぅ、っ」
[メイン] カンナ : くるり、と沼の土地神の前に向いて。
[メイン] カンナ : 「だって、楽しかったんだもんっ!!!」
[メイン]
カンナ :
唇をむぅうっと、尖らせて。
土地神にぽかぽか、とか弱い力で叩く。
[メイン] カンナ : 「……楽しかった、から」
[メイン]
沼の土地神 :
「…………………」
そよ風が、沼の髪の編みこまれた長い髪を揺らす。
体に伝わる、小さな振動。
[メイン] カンナ : 「あの子の、ナコの……笑う顔が見れたから、それでいいって、思わなくちゃいけないの」
[メイン] カンナ : 「だから、私が関わっちゃダメ、って思っちゃいけないの」
[メイン]
カンナ :
叩く速度が、段々と遅くなる。
ぽかぽか、ぽか、ぽか、ぽか……。
[メイン]
沼の土地神 :
「………ふふ、そうかい」
小さく微笑。
[メイン] カンナ : 「………ぅ゛、うぅ」
[メイン] カンナ : 「ごんなに、むねがっ、きゅってな゛って、痛くないのに、いた゛くても」
[メイン] カンナ : 「……私は、おぼえてっ、おき゛たい、のっ」
[メイン] カンナ : 代わりに出てきたのは、ぽろぽろ、と。
[メイン] カンナ : 無表情そうな顔は崩れ、顔いっぱいに涙をため込みながら。
[メイン]
カンナ :
おもいだすだけでも、いたい。
お腹が空いてる時みたいな、かんじになる。
[メイン]
沼の土地神 :
「─────その心の痛さは、きっとそれは……
君の、強さに繋がるだろうね」
優しく、カンナの頭を撫でながら。
[メイン] カンナ : こんなきもち……いままで、ない。
[メイン]
沼の土地神 :
「……定めた道を進むといいさ
例え茨の道であっても、それが自分が進むべき道であると思うなら
─────私は、止めないよ」
[メイン] カンナ : 「ぅう、う゛ぅ~~~……」
[メイン]
沼の土地神 :
「ふふ、可愛い子には旅をさせろ、ということかな
……ただ一つ、私に言わせてほしいな」
[メイン] 沼の土地神 : 人差し指を立て、カンナに見せる。
[メイン] カンナ : ぎゅっと、土地神の服にしがみつきながら。
[メイン] カンナ : 「ぅえ……?」
[メイン]
カンナ :
ずび、と鼻水を垂らして。
赤くなった目でみやる。
[メイン] 沼の土地神 : 膝を折り、カンナと視線を合わせ。
[メイン] 沼の土地神 : 「─────立ち直れなくなったら、いつでも帰っておいで」
[メイン]
沼の土地神 :
「沼は、森は、いつだって君達変化を待っている
そこにあり続ける限りは、君達の"家"になる」
[メイン] カンナ : 「……ぅ、う゛うぅ……がえ、る……の?」
[メイン] カンナ : 「がえ゛っても……いい、のっ……?」
[メイン] 沼の土地神 : 優しく微笑み、ゆっくりと頷く。
[メイン] カンナ : じっと、涙をため込んだ青い瞳で見つめる。
[メイン]
沼の土地神 :
「……人を信じたいと願う気持ちは、神である私にはもう
否定できないし……いんや、否定なんかできる権利すらないだろうから、ね」
[メイン]
沼の土地神 :
「私は弱いまま、この土地で生き続けるよ
でも小龍、君が新しい世界に踏み出そうとするなら……
……覚悟を決めた、というのなら……」
[メイン]
沼の土地神 :
「私は、その門出を祝わせてもらうよ
─────君の、この先の生に、幸あらんことを」
[メイン]
沼の土地神 :
カンナの、小さな手を包み、そして己の額にゆっくりと移動させ。
目を閉じ、口を閉じ、黙祷する。
[メイン] 沼の土地神 : 「……いってらっしゃい、小龍」
[メイン] 沼の土地神 : 少し寂しげな顔で、そう言葉を紡ぐ。
[メイン] カンナ : 「ん、むぅ……」
[メイン] カンナ : ……あったかい。
[メイン]
カンナ :
土地神の言葉に、カンナは。
ずきずきと痛んでいた胸が、少しだけ和らいだような感覚を覚えた。
[メイン] カンナ : その手の温もりは、カンナにとって、”あったかく”。
[メイン] カンナ : こんな感覚は、カンナにとって今まで一度も覚えたことのないものだった。
[メイン] カンナ : 「……うっ、うぅ……ううん」
[メイン] カンナ : 「もう、ち゛ょっとだけ、いざせて……」
[メイン] カンナ : ぴとり、と。沼神の体にくっついて。
[メイン] 沼の土地神 : 優しく微笑み。
[メイン] カンナ : すりすりと、顔を”あったかい”彼女にくっつける。
[メイン]
沼の土地神 :
「……構わないよ、私も、久々に変化達と話をできて
このまま別れるのは……惜しい、と思ってるから、ね」
[メイン] 沼の土地神 : ふふ、もちもちだねぇ。とカンナのほっぺの感想を述べながら、頭を撫でる。
[メイン] カンナ : んむぅう、と伸びるほっぺに声を漏らしながら。
[メイン] カンナ : 「……ありがと、沼神様……いいひと」
[メイン] カンナ : 少し顔を上げ、にへっ。
[メイン] カンナ : 子どもらしく、ただ笑う。
[メイン] カンナ : カンナは、竜だ。個で生きろと言われて育った。
[メイン]
カンナ :
父親から受けたものは強くなるための教え。
母親の顔も、彼女の記憶にない。
[メイン] カンナ : 故に、不安を抱えた時。
[メイン] カンナ : どうすればいいのか、わからなかった。
[メイン]
カンナ :
毎日墓参りに行っていたけれど、涙が止まることはなかった。
汗と涙でぐちゃぐちゃになりながらも、感情が収まることはなくて。
[メイン]
カンナ :
ただ、何をしたらいいのかをわからない。
子の疑問があれば親が答えるのは普通だが、それすらもわからずに。
[メイン] カンナ : 迷ったまま、彼女はここに足を踏み運んだ。
[メイン]
カンナ :
しかし、彼女の不安は。
沼神の暖かさで揺らいだ。
[メイン]
カンナ :
カンナはすうすう、と。
涙で目をはらしながらも、どこか嬉しげに沼神のもとで眠る。
[メイン] カンナ : ────彼女は、愛情にお腹を空かせていたのだ。
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] カンナ :
[メイン] : ゆめをみた。
[メイン] : まわりがふわふわとしていて、ぼんやりとしている。
[メイン] : でも、わたしがおいかけるこのせなかだけはくっきりだった。
[メイン] : すっごくはしるがじょうずなの、あのこ。
[メイン] : わたしががんばっても、おいつけない。
[メイン] : ずっとずっとはしって、ようやく。
[メイン] : たっち、とせなかをおすことができた。
[メイン] : そこでやっと、あのこのかおがみえた。
[メイン] : わらってた。
[メイン] : だから、わたしもいっしょにわらっちゃった。
[メイン] : そんな、ゆめ。
[メイン] : おきたらすこしめがあつくなって、それでもうおしまい。
[メイン] : こんなきもちも、いつかきえちゃう。
[メイン] : だけど。
[メイン] : しあわせな、ゆめだった。
[メイン] :
[メイン] :
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[メイン] 水野 ナコ : ─────私ね。
[メイン] 水野 ナコ : 女の子の友達、ずっといなかったから……。
[メイン] 水野 ナコ : だから、すっごく嬉しかったの。
[メイン] 水野 ナコ : ……一緒に遊ぶ約束、守れずに帰っちゃったから……だから。
[メイン] 水野 ナコ : えへへ、ほんの少し、お邪魔しちゃった。
[メイン] 水野 ナコ : ─────また遊ぼうね、カンナちゃん!
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